二十四匹目
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お帰りなさいませ、シラヌイ様。
シラヌイがシュリッセル家の門を潜ると、使用人が総出で出迎えた。
シラヌイから向かって右に執事一人と続くメイド20人。
同じく左にメイド20人。
「あ、ありがとっ! みんな! 心配かけてごめんなさい!」
シラヌイがバッと頭を下げる。
「シラヌイ、早く頭をあげて皆に顔を見せよ。
それにお主が頭を下げたままでは誰も頭をあげられぬじゃろうが」
「はい、お婆様」
シラヌイが頭を上げ、一拍置いて使用人が頭を上げた。
「さーて、ではシラヌイには家出の仕置きとしてメイド連中の玩具になってもらおうかのぅ」
「What?」
「エリザー! エリザ・エルバキー!」
「はいタマモ様」
シュッ…といつの間にかタマモの隣、シラヌイの背後に少女が立っていた。
燃えるような赤髪。
ピンとたった三角耳。
ゆらゆら揺れる細長い尻尾。
逆関節の脚。
シュリッセル家メイド長、ケットシーのエリザ・エルバキーだ。
「シラヌイで遊んでこい。命令じゃ」
「畏まりました。アリエーソ商会からのプレゼントは使っても?」
「構わん」
エリザ、と呼ばれた猫耳少女がヒョイとシラヌイを横抱きにした。
「さぁさぁ! メイドのみんな! このメイド長エリザが命じるわ! シラヌイ様をとびきり可愛くしなさい!」
はい、メイド長! とメイド連中がバタバタと部屋に入っていく。
「ではタマモ様、シェルム様、ブライ様。
シラヌイ様をお借りします」
コツコツとエリザが玄関に歩いていく。
「ちょっ!? お婆様どういう事!? 離せメイド長!」
「いったじゃろー。仕置きじゃ」
「暴れないでくださいシラヌイ様。おっぱいプレスで締め落としますよ?」
エリザがニコッと微笑む。
男なら一度はされてみたいシチュエーションだが、シラヌイは…
「ぅきゅっ!?」
タマを縮ませていた。
シラヌイは咄嗟にエリザから目を反らす。
(なっななな何今の!? 怖っ!? え!? メイド長って本当にこんななの!? 何それ知らないんだけど!?)
ほぼ全ての日常をタマモと過ごしていたシラヌイはあまり使用人達と接点が無かった。
屋敷ですれ違ったりする事はあれど、あまり話す事は無かった。
当然メイド長や執事長など顔と名前は知っていても詳しくは知らなかったりする。
「さぁさぁ先ずはお風呂です。ピッカピカにしてあげますよ」
「僕は壺か何かか!?」
「大丈夫ですよー。ちゃんとシェルム様の専属メイドが尻尾から耳まで洗ってあげますから」
「へ、変な所触ったら氷漬けだからな!」
「変な所ってどこですかぁ〜?」
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