暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦士ガンダム
2201話
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いった真似をする奴がいる可能性もあるので、完全に安心出来る訳でもないのだが。
 そんな風に思っている俺の視線の先で、シェリルの歌はまたまだ続く。

「凄いな」

 俺の横に立っているスレイが、空中を自由自在に飛び回っている……いや、虚空瞬動だし、走り回っているという表現の方が正しいのか?
 ともあれ、そんな感じでシェリルは様々な場所に姿を現しては、歌い続ける。
 シェリルは以前マクロス世界で銀河の妖精と呼ばれていたが、今のシェリルは……言ってみれば、銀河の精霊とでも呼ぶべき存在だろう。

「ああ。素直に凄い」

 スレイの言葉に短く返しながらも、俺の視線はステージを……いや、ステージ以外の場所をも飛び回るシェリルを追う。
 そんな光景は、今の俺にとっては間違いなく素晴らしい光景だと、そう断言してもいい。
 実際、先程小さく凄いと呟いたスレイも、俺の隣でそんなシェリルの光景に目を奪われているのだから。
 シェリルは以前から実力のある歌手ではあった。
 だが……それでも、ここまでの実力はなかった筈だ。
 ここまで急激に歌の実力を伸ばした理由は、やはりシャドウミラーの生活も関わっているのだろう。
 そもそもの話、歌手というのは思っている以上に体力勝負となる。
 それは、こうしてステージ中を走り回っているシェリルを見れば、明らかだろう。
 シェリルもそれを知っているからこそ、より激しく運動してもいいように、エヴァとの訓練を受けているという一面もある。
 この辺り、シェリルの真面目さをよく表していると言ってもいい。
 歌という一点に関しては、シェリルはストイックなまでにのめり込んでいる。
 だからこそ、これだけのステージを作る事が出来るのだろう。
 ともあれ、そんな風にライブに意識を集中していた俺だったが……不意に、通信機が着信の音を鳴らして、俺の意識を現実に戻す。

「何の要件だ?」

 通信機のスイッチを入れ、そう告げた時に俺の機嫌が悪かったのは、ある意味当然の事だろう。
 折角ライブに集中していたというのに、不躾に我に返らされたのだから。

『は……は! 実はその、今回のライブに便乗して爆弾テロを行おうとしていた者を数名、逮捕しました。それで、その……どうしたらいいのかと』

 ルナ・ジオンの兵士……もしくは警察か? そんな感じの男が、俺の声に若干怯えながらもそう尋ねてくる。
 あー……ちょっと機嫌が悪すぎた声だったな。
 別に通信を送ってきた相手が悪い訳ではない。
 いや、寧ろ自分の仕事をきちんとこなしているという点では、褒めてもいいくらいだ。
 そうである以上、こちらとしても態度を改める必要がある。

「悪いな。ちょっとタイミングが悪かったんだ。それで? 爆弾テロ? よくもまぁ……」
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