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Evil Revenger 復讐の女魔導士
最後の戦い
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主力4部隊の1つを束ねると同時に、祖父自身が出撃しない時の全軍の総指揮を執っている男だった。
「ベスフルの連中に砦を落とされたということは、次に奴らが攻めてくるのはこの城ということになる」
 祖父は立ち上がった。
「我々は総力をもって、奴らを迎え撃つ。今度こそベスフル軍は完全に終わりだ」
 祖父が拳を握りそう宣言すると、部屋にいる兵士達から歓声が上がった。
 宣言の後、祖父は再び私を見た。
「チェントよ。貴様の望みを叶えたければ、ベスフル軍が全滅する前に戦場で兄を見つけ出し、討ち取ることだ。これが最後のチャンスだと思え」
 その言葉を最後に、祖父は会話を打ち切った。
 私はその言葉に、返事を返すことも頷くこともできなかった。
 一礼して謁見の間を出ていく兵士達。
「待て」
 私もそれに続こうとすると、呼び止められた。声の主は、先程私を部隊に組み入れるよう命じられた男、ガイアスだった。
「お前は我が部隊に所属となったのだ。後で部隊の詰め所に来い」
 頷いて、部屋を出る。
 この2日後、遂に魔王軍とベスフル軍の最終決戦が始まった。

 魔王城と砦の間にある平原で、両軍は睨み合っていた。
 左右を見ると、大勢の兵士達が槍と剣を構えて、緊張の面持ちで平原の向こうを睨んでいる。
 遠くには隊列を組むベスフル軍の姿が見える。それぞれが、弓矢がギリギリ届かない程度の距離を保っていた。
 魔王軍はあの堅牢な城塞都市に籠れば、味方の被害もより少なく済むはずなのに、なぜそうしないのか? 私は疑問に思っていた。
「数で大きく勝る状況で、籠城を選ぶのは下策だ。味方の士気も下がる」
 作戦前、私の質問にガイアスはそう答えた。
「それに籠城すれば戦は長引く。今の食糧難の魔王領で籠城すれば、戦う前に備蓄が底を尽く危険があるのだ」
 故に全軍を率いての短期決戦こそが最良の策だと、ガイアスは言った。
 元々魔王軍がグレバスを抑えベスフルまで攻め入ったのも、食糧難から領民を救うことが目的だったのだ。
 それが気が付けば、ここまで押し返されている。
 現時点で敵より兵力で勝っているとはいえ、楽観できる状況ではないはずだった。
 現在の魔王軍の総兵力は、ベスフル軍の3倍だと聞いていた。今、平原の向こうに立ち並ぶベスフル軍とこちらを見比べると、詳細な人数差まではわからないがあきらかにベスフル軍側の方か数で劣ることが見て取れる。
 この平原は凹凸が少なく、ひたすらだだっ広い。以前の戦場のように、身を隠して奇襲するなどといったことも難しそうだった。
 兄さんはどう出てくるかな?
「作戦通りに頼むぞ。準備はできているか?」
 横から声を掛けられた。声の主はガイアスだった。
 私はその言葉に無言で頷く。
 ガイアスは馬の倍ほどもあろう大きさの
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