第二章
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「今度天使族の国から使者が来るね」
「はい」
その通りだとだ、執事は主に答えた。
「交流を深める為に」
「そうだね、じゃあね」
「会われますか」
「そうするよ」
「あの、天使といいますと」
執事はサタンにとうかという顔になって述べた、執事の制服とダークエルフ独特の黒い肌とオールバックにした銀髪が人間の執事とは違う雰囲気を醸し出させている。
「魔族とは」
「相反する属性だね」
「エルフとドワーフ以上に」
「わかってるよ、けれどね」
「天使族ともですか」
「そう、種族の垣根は意識しないで」
そうしてというのだ。
「交流を深めていくよ」
「天使族の学問を学ばれますか」
「そしてね」
そのうえでとだ、サタンはさらに言った。
「天使族の国と仲良くなって」
「国交を深めていくべきですか」
「父上にもそうお話するよ」
サタンの領地を含む国を治めている魔王にもというのだ。
「天使族の国とも交流を深めるべきだってね」
「魔王であってもですね」
「魔王だからって世界を征服しないといけないとか圧政を敷かないといけないとか」
「そういうことはですか」
「ないよね」
「それは」
言われてみればとだ、執事も答えた。
「確かに」
「そうだね、それじゃあね」
「そうしたことはですか」
「意識しないで」
それでというのだ。
「やっていくべきだから」
「それで、ですか」
「うん、天使族の人達も迎えて」
そうしてというのだ。
「彼等の学問を受け入れて」
「国同士の交流もですね」
「提唱していくよ」
こう言って実際にだった、サタンは天使族の国の使者達と会って話をした。これには天使達の方が驚いて彼に言った。
「あの、魔族の貴方がですか」
「しかも魔王の息子だというのに」
「我々と普通に会われ」
「交流も深められますか」
「それが領内ひいては国の利益になりますので」
それ故にとだ、サタンは天使達に笑顔で答えた。
「ですから」
「それで、ですか」
「そう、そのうえで」
あらためて言うのだった。
「貴方達の学問をです」
「それをですか」
「教えて欲しいのですが宜しいでしょうか」
「はい、それでは」
天使達は戸惑いつつも彼等の書の多くをサタンに渡した、サタンはその書達を天使族の言葉から魔族の言葉に翻訳してもらってからだった。
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