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善政を敷く領主
第一章

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                善政を敷く領主
 ストラス=サタンは魔王の息子にして領主を務めている、彼は日々書を読み学問を積みそうして領内を治めている。
 その善政は見事なもので国は豊かで潤い整っている。しかもだ。
 彼は魔族であるが領内の人間やエルフ、ドワーフ等自分とは違う種族も公平に治めていた。傍にいる者達もそれは同じで。
 様々な種族がいた、それでダークエルフの老人の執事も彼に問うた。
「旦那様はどの種族でもですね」
「うん、差別せずにね」
「治めておられますね」
「結局それがね」
 サタンは自分の席で書類にサインをしつつ執事に答えた。
「一番いいからね」
「政治にとっては」
「だからだよ」
「魔族第一主義ではなく」
「人間もエルフもね」
 魔族以外の者達もというのだ。
「公平にね」
「見てですね」
「政治を行って」
「優秀な者はですか」
「誰でも取り立てているんだ」
「左様ですか」
「そして学校でもだよ」
 領内にはそうしたものも多く建てているのだ。
「子供なら誰でもね」
「学ばせていますか」
「教育を行ったら」
 それでというのだ。
「その分優秀な人材が出て来るからね」
「安い学費で、ですか」
「子供達に勉強させているんだ」
「左様ですか」
「魔族以外もね、それで商人もね」
 彼等もというのだ。
「どの国から来ても」
「受け入れていますか」
「うん、スパイには気をつけているけれど」
 豪奢な大きなまだ子供である自分には不釣り合いな大きさの席に座って書類にサインをしつつ述べた。
「そうしているんだ」
「それが領地にいいからですか」
「商人にもどんどん来てもらって」
 そうしてというのだ。
「商売をやってくれたらね」
「賑やかになるからですね」
「それで領内を潤してくれるから」
 そうしたことになるからだというのだ。
「道も港もね」
「街だけでなくですね」
「整えているんだよ」
「左様ですね」
「うん、それでだけれど」
 サタンはサインを続けつつ執事にこうも言った。
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