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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第54話 地下遺跡を探索せよ
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ジンは遺跡の中から漂ってくる危ない雰囲気を感じ取ったようだ、確かにやばそうな気配が沢山するね。これは骨が折れそう。


「でもこれだけ巨大な遺跡を探索するとなると、効率を考えないといけないわね」
「ええ、闇雲に動いていれば体力を消耗して危ないですからね。ここは探索班と待機班に分かれて動くことにしましょう」


 シェラザードの言葉にヨシュアが頷き、探索班と待機班に分かれて行動しようと提案した。要するに安全な場所を見つけて拠点にする、そこを足掛かりにしながら探索と拠点の防衛、そして状況によっては交代して探索を進めてまた新しい拠点を見つける……を繰り返していくって事だね。


 わたし達はまず降り立ったこの場所を拠点にして、エステル、ヨシュア、シェラザード、アガットが捜索班として遺跡の中に入っていった。


「さて俺達は拠点として使えるようにしておくか」
「はい、工具類一式と簡単なキットは用意してきましたからいつでも使えるように準備しておきますね」


 わたし達は簡単な設備を作って拠点の防衛に入る。護衛は猟兵の仕事でいつもこなしてきたとはいえ此処は未知の場所だ、何が起こるか分からないので警戒を怠らないようにしないと。


 暫くは何事も無かったが、突然ラッセル博士が何やらウロウロと辺りを動き出した。


「お爺ちゃん、どうかしたの?」
「いや、ほんの少しくらいなら中に入れんかと思ってのう」


 ありゃりゃ、意外とアクティブなお爺ちゃんだったね。でもそんなのは駄目、唯でさえ危ないもの。


「ジン殿、何とかならんか?技術者にとってこんな貴重な遺跡を調べずにはいられないんじゃよ」
「そうは言ってもな、今はそんな状況ではないし我慢はできないのですか?」
「無理じゃな」


 きっぱりと無理だと言うラッセル博士に、ジンはどうしたものかというような表情を浮かべた。何となく依頼の関係で会った事のあるG・シュミット博士とは違うベクトルの面倒臭さを感じた。


「はあ……ジン、ちょっとだけ中に入れてあげたら?一回帰ってきたエステル達から魔獣の情報は貰ってるから多少なら大丈夫だと思うよ」
「しかしな……」
「でもこのままだと勝手に行っちゃいそうだけど。何かシュミット博士みたいな面倒臭さを感じたから」
「確かに彼とは違う面倒臭さを感じるな……」
「むっ、お前さん達はシュミットを知っているのか?じゃがワシをあんな偏屈者と一緒にするでないわ!」


 わたしの言葉に同意するリィン、そしてシュミット博士と同類扱いされたラッセル博士は心外だと言わんばかりに顔を顰めた。でもわたしからすれば面倒なのは似ていると思うけどなぁ、技術者って皆こんな感じなのかな?


「ジンさん、拠点の防衛は俺とオリビ
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