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レーヴァティン
第七十五話 霧の都その五
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「あの歌な」
「実際に落ちたことあるんだろ」
「歴史に残ってるらしいで」
「そうだよな」
「けれど今は頑丈に造られててな」
「落ちないよな、流石に」
「そうらしいな」
「まあこの橋も大丈夫だろ」
 久志は自分達が今渡っている橋を見回してから美奈代に答えた。
「流石にな」
「頑丈やさかいか」
「石橋でしかもな」
 只の石橋でなくだ。
「相当頑丈そうだしな」
「それやとやな」
「そうそうな、落ちないだろ」
 美奈代に考える顔で述べた。
「この橋は」
「まあそうやろな」
「ああ、だからな」
 それでと言うのだった、再び。
「マザーグースみたいにはならないさ」
「それでお店もよおさん出てるんやな」
 橋の幅はかなり広い、その左右に出店が並んで客達もいる。そして橋には塔と門もあり通行者のチェックも行われている。
「そやねんな」
「そうみたいだな、それでこの橋を渡ってな」
「闘技場やな」
「ピカデリーの広場にあるな」
 地図を開けばそこに書かれてあった。
「そこに行ってな」
「その最後の一人をな」
「見るか、どんな奴かな」
「そうしてやな」
「仲間にするからな」
 その最後の日t理をとだ、こう言ってだった。
 一行はその堅固な石の橋を渡ってだ、そうして。
 ピカデリーの広場に行った、その広い広場には闘技場もありそこでだった。
 巨大な猛獣が人間と対していた、久志はその猛獣を見て眉を顰めさせた。牛に似ているが牙がある全長十メートル程の猛獣だ。
 その猛獣を見てだ、久志は言った。
「ベヒーモスか」
「はい、あの魔獣は」
 まさにとだ、順一が答えた。
「あのモンスターですね」
「あんなのが闘技場にいるとかな」
「かなり強力なモンスターですが」
「ああ、一匹でキマイラの群れと互角位のな」
「それだけのモンスターを擁する闘技場も凄いですが」
「あいつもな」
 見れば真紅、クリムゾンレッドの全身を包んだローブに広い鍔の三角帽子を被っている。そうして顔は見えないが。
 恰好から魔術師だ、それで久志は言うのだった。
「あんなの一人で倒せるか?」
「我々なら可能ですが」 
 順一はこう久志に答えた。
「それも」
「しかしな」
「はい、私達でないとです」
 相当な強さを持ち神の武器や道具を持っている自分達ならというのだ。
「勝てないです」
「一人だとな」
「並のパーティーなら」
 冒険者達のそれならというのだ。
「まずです」
「あいつ一匹でな」
「普通に蹴散らされます」
 そうなってしまうというのだ。
「ベヒーモスはそこまで強力なモンスターです」
「そんなのに一人で向かうか」
「これはです」
 順一は顔を顰めさせて言った。
「あまりに無謀です」
「しか
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