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レーヴァティン
第七十五話 霧の都その一
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               第七十五話  霧の都
 久志達はマルセイユからパリに至った、そしてパリでもそれまでの道中でした様に情報収集も行ってだった。
 そのうえで今度はカレーの港に来た、そこで久志は港の向こう側を見てそのうえでこんなことを言った。
「すぐにだよな」
「はい、行くことはです」
 順一が久志に応えた。
「容易でまさにすぐにです」
「対岸、ロンドンまで行けるな」
「それは目と鼻の先です」
「文字通りそうだよな、しかしな」
「対岸は、ですね」
「ここからだと見えないな」
 カレーからはとだ、久志は言うのだった。
「どうにも」
「場所の関係で。ですがドーバーなら」
「こっちの世界でもか」
「対岸が見えてしかもです」
「泳いで行こうと思ったらか」
「行けます、ですが海を隔てていますので」
「それが大きいんだよな」
 久志は何が大きいのかも言った。
「守りに」
「ですから見える距離でもです」
「ナポレオンも渡れなかったしな」
「ヒトラーもです」
「誰も渡れなかったな」
「それだけ大きいのです」
 海、それの存在はというのだ。
「ただそこにあるだけで」
「その国を守るんだな」
「それも絶大な防御力で以て」
「日本もそうだしな」
「そうですね、我が国にしましても」
「海があるからな」
「かなり守られています」
 これもまた現実だというのだ。
「実際にです」
「モンゴル帝国だって防いだしな」
「元寇もです」
「とんでもない国だったけれどな、モンゴル帝国」
 正確に言うと元だ、中華世界を征服したので国名がそうなったのだ。言うまでもなくフビライの国である。
「そのモンゴル帝国もな」
「そうです、防ぎましたね」
 ユーラシアを席捲した空前の大帝国ですらだ。
「やはり海はです」
「それだけのものがあるよな」
「はい」
 順一はまた答えた。
「その通りです」
「海はな」
「ただそこにあるだけで」
「その国に凄い防御力与えるか」
「そうです、そしてこの島は海はないですが」
「それは湖でも同じだな」
「はい、そしてです」
 順一はさらに言った。
「これよりです」
「その湖を渡ってな」
「ロンドンに行きましょう」
 次の目的地であり最後の仲間がいると思われるその街にというのだ。
「これから」
「わかった、それじゃあな」
「今からですね」
「行こうな、しかしまた船に乗るか」
 久志はここでこのことも思ったのだった。
「俺達の旅ってしょっちゅう船に乗っているな」
「東の島でも湖の面積多いみたいだね」
 剛も言ってきた。
「そうだったね」
「ああ、じゃああっちもか」
「船旅してるだろうね」
「あいつもか」
 英雄のことも思ってだ、久志は言
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