第一章
[2]次話
偏食注意
デブガマンはかつては普通のサラリーマンだったが某悪の組織に拉致されて怪人に改造された。だがそのまま家族と共に暮らし会社勤めも続けている。困るのは見た目で気味悪がられることがある位だった。
そう、それ位だったが彼は今もう一つ困ったことが出来ていた。会社の健康診断で医者に言われたのだ。
「あんた死ぬよ」
「えっ、改造手術の悪影響ですか」
「いや、食生活だよ」
このせいでというのだ。
「君普段何食べてるのかな」
「ラーメン、ハンバーガー、フライドチキンと」
「脂の多いのばかりだね」
「はい、そうですね」
「塩分も多いね。あと野菜食べてないよね」
「わかりますか」
「わかるよ、太り過ぎだし」
その巨大な腹を見ての言葉だ。
「そのまま行けばね」
「死にますか」
「成人病になってね」
「そういうことですか」
「糖分も摂り過ぎで乳酸も高いから」
「そっちでも危ないですか」
「ええと、脂肪肝と糖尿病と心臓病に脳梗塞に痛風」
まさに成人病のオンパレードだ。
「どれもなるよ」
「うわ、凄いですね」
「そうなりたくなかったら」
「どうすればいいですか」
「まずは運動をして」
そしてというのだ。
「食生活を根本から変えないと」
「駄目ですか」
「正直内臓全部駄目になっていて血管も血も危ないから」
「満身創痍ですか」
「だから死ぬって言ってるんだよ」
文字通りにというのだ。
「そうなりたくなかったら」
「運動をしてですか」
「食生活を変えるんだよ、ファーストフードやジュースや炭酸飲料は」
デブガマンがいつも口にしているものはだ。
「もうね」
「二度とですか」
「控えるべきだよ、まあ暫くは食べないで」
そうしてというのだ。
「食生活を根本から変えるんだよ」
「お野菜とかを食べて」
「そうしないと死ぬよ」
「がっくりきました」
実際にだった、デブガマンはその場で崩れ落ちた。しかし命がかかっていることを告げられたからにはだった。
彼にしても必死にならざるを得なかった、まだ若いし年老いた両親のこともあるし結婚もしたいからだ。
彼は運動、具体的には毎日プールでのそれをはじめた。そうしてそこからさらにだった。肝心の食生活も。
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