暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第6話 非日常の訪れ
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結果は同じ。鍵は今エースがいる側からしか閉めることが出来ないはずなのに鍵がかかった状態である、という事実が、エースの嫌な予感を現実へと近づけていく。

 外から封じられてびくともしない扉に難儀し、エースは次第に焦り始める。薄い扉一枚で隔てられた向こうの空間にて起こっていることを確かめたくとも、学校の扉では安易に破壊することも出来ない。

 氷属性の魔法によるものだろうという予想はついている。だが氷そのものに触れられない状況では、エースの手では解除が出来ない。

「あれ、フォンバレンくん?」

「プラントリナさん!? これ、開けれる?」

 そんな打つ手なしのエースの元にジャストタイミング、とでも言いたくなるほどに、最適な人材──セレシアが現れた。エースの必死さを感じさせる形相に、セレシアは首を傾げる。

「ど、どういうこと?」

「開かないんだよこの扉。鍵はこっち側だから、多分外から凍らされてる」

「うええ……? よく分かんないけど……分かった。フォンバレンくんが扉を押して、あたしがあっためればいいのね?」

「理解が早くて助かる」

 セレシアが扉を温めつつ、エースが扉の取っ手を引く、という適材適所での共同作業を開始する2人。最初はエース1人の時と同じようにびくともしなかった扉も、あっためられたことで反対側で固定していた氷が溶けたのか徐々に動く素振りを見せ始め……

「開いた!!」

 全力で開けたエースがよろけるほどすんなりと、扉は完全に開かれた。

「……!!」

「マズい……!」

 その先に映ったとんでもない光景に、エースとセレシアの中で切迫感が生まれる。

「ふぐ……んん……」

 2人の視線の先、屋上の中にあったのは、首を絞められながらも必死にもがくフローラの姿。窒息するまいと相手の手をどかすことに全勢力を傾けているため、エースとセレシアの存在にはまだ気づいていない。

 しかし、絞めていた側のローブを纏った人間は扉が開いたことでこちらに気づいたのか、フローラの首から手を離してこちらへと向かってきた。長い袖の下からは、微かなきらめきが見え隠れする。

「相手は俺がするから、その間に頼む!」

「分かった!」

 それが剣であることにいち早く気づいたエースが、得意の高速造形で剣を作り出してその刃を防いだ。高速であるためやや強度には欠けるが、今はこれでも十分だ。

 その横をすり抜けるようにして、セレシアが疾風の如き速さでフローラの元へと向かう。ローブ姿の相手はそれを阻止しようと、エースの剣を弾いた隙に手を向けてそちらへと魔法を放とうとするが……

「お前の相手はこっちだっての」

 出来た大きな隙を見逃すはずがないエースの渾身の回し蹴りによって、相手
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