暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第6話 非日常の訪れ
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しまった今でも、こうして良い関係を保っている。

 それ故に、年月の経過はいつも集まるメンバーを見るとよく感じるのだ。特に、エースやミストから見たフローラとセレシアの姿の変化は著しかったように思う。

 性格に関しては変わらずセレシアが明朗でフローラが穏和という対照的な性格。好みや嫌いなものは割と似ている。体つきも似ている。もっと言えば──

「──あ、ダメだ。このままいくと俺変態から戻ってこれなくなる。話題を変えよう」

「エースが変態から戻ってこれなくなるなら、それはある意味成長として歓迎すべきなのか、それとも止めるべきなのか」

「止めろよ。実の兄が変態とか、絶対嫌だろ」

「うーん……それはそうだけど、ポジティブに考えようかと」

「そのポジティブさいらん。普通に考えろ」

 面白がってボケるミストに対して突っ込むエース、という構図。季節も時間も場所も問わずに繰り広げられるそれは、エースの気力を奪うには十分だった。

 疲れた表情を見せた後、エースはベンチから立ち上がった。

「まぁいいや。俺はそろそろ教室に戻る。買い出しは後から追っかけるわ」

「分かった。絶対にすっぽかさないでくれよ」

「何事もなければな。朝の話のことだってあるわけだし」

「そういう時は説明してくれよ」

 ミストが立ち上がり、最後にまた後で、と言って、2人はそれぞれに背を向けて歩き出した。






* * * * * * *






 教室へと戻ろうとしていたエースが異変に気づいたのは、高校棟の階段を教室のある3階まで上りきった時だった。

 きっかけは偶然目を向けた場所──屋上へと続く階段の方から、手すりを伝って水が垂れてきていることに気づいたことだ。

「なんでここに水滴が……?」

 視線を上げた先に見える天井からも、時々水滴が滴り落ちてきているという事実。

 どう考えても普通ではないと考えたエースは生じた疑問の答えを見つけに、予定の階を通り過ぎ、濡れた手すりを辿って屋上へと向かう。階段はこれまでと同じ段数なのにも関わらず、やや長く感じたのは何故か嫌な予感がするせいなのか。

 階段を上りきると、そのすぐ右に水が少したまっていた。転落防止のためにある腰ほどまでしかない壁には、何かがぶつかって飛び散ったような様相を見せている。

「ここでこんな飛び散り方するんなら、発射されたのはこの扉の向こうからか……?」

 推理をするエースの視線の先には、屋上のスペースへと通じる扉。今は締まり切っている。

 その扉は、隔てられた先の光景を確認しようとしたエースが引き開けようとしても、全く動かなかった。

 おかしいな、と思い、また同じことを全力でするが
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