「こわいは、嫌です」
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よりとアスナが一同を前進させる。キズメルから頼まれた呪いの地を進んで数分、枯れ木の中をそこそこ進んできたからか、敵とも遭遇することが増えてきた。とはいえ目的は呪いの根絶と、恐らくは遭遇する敵はいくら倒しても関係のないものだ。
「ふふ。そう言うなアスナ。私はこうして君たちと戦えてとても嬉しいんだ」
「もう、キズメルまで……」
「キズメル。アレは……」
そうしたことから、そろそろ呪いとやらの根源は近いだろうと、誰もが口には出さずとも思ってはいた。故に多少ながらアスナからの叱責が飛ぶが、当のキズメルがこうではあまり効き目がない様子で。呆れるアスナに多少なりとも同情していると、ショウキは枯れ木の中に偽装された洞穴に気づく。
「……よく気づいたな。少し探ってみよう」
「よっこらせっと!」
洞穴を偽装していた枯れ木をとがしつつ、リズがメイスで吹き飛ばしつつ。そこそこの身長のショウキがギリギリ通れるかというくらいの高さに、灯り一つなく奥まで見えない穴。明らかに人間ないしNPCが活用するとは思えず、ショウキはよく調べているキズメルに視線を送る。
「キズメル。見つけておいて悪いが、これは……」
「……いや、ショウキ。この穴は我々のようなエルフが通りにくいようにわざわざ造られている」
しかしキズメルには何らかの確信があるらしく、自身の身長や長刀を指してみせる。確かにキズメルたちエルフ族は誰もが身長を高めに設定されており、軍隊として統一された長刀はこの穴で振るうことは叶わないだろう。そう考えれば、エルフたちに対策した洞穴という線もなくはないが、そう考えたキズメル当人が最も考え込んでいた。
「だが私の考えが正しいのであれば、この先にはそんな小細工をする相手がいるということになるな」
「……私が先頭に行くわ。ショウキくんは後ろをお願い」
今までのモンスターとなって現れていた《呪い》とは異なる、恐らくはエルフたちを脅かす呪いの大元。あくまでキズメルの考えに従えばだが、調べないわけにもいかないと、アスナが先頭を申し出る。突きを主軸とした彼女ならば、万が一この狭い洞窟で戦闘になったとしても、戦えなくはないからだろう。
「じゃああたしは灯りを……」
「リズ。私にも貰えるか?」
正反対に狭い洞窟では戦いにくい二人に灯りを持ってもらい、ショウキは背後を見張りつつ短剣でもすぐに取り出せるようにしつつ、一同は洞穴の中へ慎重に侵入していく。ただし内部は予想以上に狭苦しく、しゃがまなければ移動できない程だった。
「いたっ! もう、狭いわね……」
「リズ、大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫。それより、出口が近いみたいよ?」
ただしその狭苦しさが幸いしたのか洞穴の中での戦闘はなく、少
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