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緑の楽園
第四章
第44話 地下都市
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うことではない」
 と回答された。カイルと同じような考えだったのだ。

「しかし、そんなところに敵組織の本部があったとはな……。どうりで今まで見つからなかったわけだ」

 国王がため息交じりに感想を述べた。

 この時代の歴史上では、中央高地に集落が存在したことはないそうだ。
 俺の時代のように、国土の隅々まで人の手が入っているわけではないし、そもそも人間の絶対数がそこまで多くない。
 よって、人の力が及んでいると言えるのは、都市や町村と、それらを結んでいる街道、それくらいの範囲である。ひとたびそれを抜ければ、野獣や野犬、野盗などがはこびる世界だ。
 三千メートル級の山々や広大な森林を擁する中央高地など、とても人間が手を伸ばせる地ではない――それが一般的な認識となっている。

 そんな環境だからこそ、地下都市も今まで活動することができたということか。
 長い歴史の中では、迷い込んで偶然に地下都市を発見した旅人や、もしくは野盗などはいたのかもしれない。だが、生きて地上に戻ってくることはなかったのだろう。

「何か質問のある者はいるか?」

 国王は全員を見渡して、確認をする。

「タケルくん。私から質問してもいいかな?」
「はい」

 参謀のウィトスが、タケルに声をかけた。

「中央高地に本部があるとなると、ここからはかなり遠いことになるよね。本部との連絡手段はどうなっていたんだい?」

 なるほど。これは重要なことだ。
 このタケルも、そして城にいたヤハラも、本部と連絡を取り合っていたはずだ。
 いちいち本人が行ったり来たりということはないはずだから、別に連絡係がいたことになる。

「城下町に、組織の諜報員が経営している店がありまして、そこの者が連絡係をやっています。僕もその店を拠点にして活動をしていました」
「ええ!? そうだったのかい?」
「はい。城の近くの、ヤマガタ屋という地図屋の近くにある茶屋がそうです」

 その瞬間、俺と女将軍は、思わず顔を見合わせてしまった。
 その茶屋は、前に一緒に地図屋に行ったとき、休憩のために寄った店だった。まさかのまさかである。

「そうか……。その対処も考えなければならないな」

 国王は腕を組み、ぼやくようにつぶやいた。
 考えないといけないことが多くて大変だ。

「では、いったんここはお開きにするか。余はウィトスやヤマモトらと共に、これからの作戦の叩き台を作る。それが出来次第、また集まることにしよう。タケルよ、引き続きお前の力を借りることになるが、よいな?」
「はい。わかりました」

 俺とタケルで交わした『約束』については、すでに国王の了承を得ており、タケル本人にもそれを伝えている。
 タケルの返事には、迷いがまったく感じ
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