暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第177話「異質なナニカ」
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不明》”の部分を見ていたら……どこか……』







   ―――敵意に呑まれそうになるわ







「っ……!?」

 念話から感じ取れたその殺意に、帝は息を呑んだ。
 明らかに奏らしからぬ気配を感じ、思わず念話を切ってしまう。

「(なんだ、今の……!?)」

 帝や司に向けられたものではなかった。
 同時に、殺意の類であれば優輝や守護者の方が強かったとも理解していた。
 だが、だと言うのに帝は二人の時よりも気圧されていた。

「(……これは、“あの時”の感覚に似ている……)」

 そして、帝は気圧された際の感覚に覚えがあった。
 あの時目撃した天使の持つ気配。それに似ていたのだ。

「(自覚なしか……それとも……)」

 とりあえず、もう一度繋げ直そうと、念話を再開する帝。

 





「……奏、ちゃん……?」

 一方、司の方もその得体の知れない感覚に、奏から一歩離れる。

「っ……、っ……!?」

 だが、最も動揺しているのは他ならぬ奏だった。

「だ、大丈夫!?」

「っ……今、のは……?」

 思わず心配して駆け寄る司。
 その場にへたり込んだ奏は、自分が口走った事に恐怖を覚えていた。
 まるで、無意識に呟いたその内容が信じられないかのように。

「(まさか、あの“天使”が……!?)」

 明らかに奏の本意で言った訳ではないのは、その怯えた様子から理解できた。
 よって、今の言葉は以前に奏の体を使った“天使”だと司は自然と推察した。

『奏、今のは……』

「『ごめん帝君。今念話で直接聞くのはやめた方がいいよ。……凄く動揺してる』」

『っ、それほどなのか……』

 動揺から切られた帝からの念話が再開する。
 奏に先ほどの事を尋ねられたので、咄嗟に司がフォローを出す。

「『帝君、私の予想だけど、奏ちゃんのさっきの言葉は……』」

『以前に俺が話した“天使”じゃないかってか?』

「『……帝君もそう思ってたんだね』」

 同じように思っていたなら話が早いと、司は思考を切り替える。

「『奏ちゃんは間違いなくほぼ無意識にさっきの言葉を放った。……この際、奏ちゃんの今の状態は落ち着くまで置いておくよ。……言葉の内容として、どう思う?』」

『……敵意、っつってたよな?』

 奏の状態から、今深掘りする訳にはいかず、奏が落ち着くまで司が見る事になる。
 その間に、発言の内容について考える事にした。

『単純に考えたら、“天使”はこの“■■(不明)”の奴と敵対してると考えられる』

「『そうだね。明らかに敵意があった。天使と敵対すると言えば……』」

『悪魔と
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