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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
61話:進捗
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から流れてきた話だが、コルネリアス帝の時代の、大親征の最中に起きたクーデターも、やつらの仕込みなのでは......。という話もある。叛乱軍との戦況も、フェザーンでの最終的な捜査も、この基地がカギのひとつなのは確かだ。こちらが気づいていると知られれば、真っ先に狙われる候補のひとつだ。勘づかれるリスクは少しでも減らしたい。思う所はあるだろうが、飲み込んで欲しい」

俺がわざと頭と下げると、2人は納得したかはともかく、この方向で進める事に納得した。ずるい手段だとは思うが、効果が分かっている以上、困ればこれからも使うだろう。


宇宙歴784年 帝国歴475年 8月上旬
首都星オーディン グリンメルスハウゼン邸
パウル・フォン・オーベルシュタイン

「卿がこの件でのリューデリッツ伯の名代じゃな。グリンメルスハウゼンじゃ。よろしく頼む」
「はっ!パウル・フォン・オーベルシュタインと申します。よろしくお願いいたします」

フェザーンでの任務を終え、オーディンに戻った私は、少佐に昇進の上、軍務省情報部に特命担当官として赴任した。分室のひとつと、身辺調査・薬物検査を終えた数名の人員を預かることとなった。特命の内容は『皇族暗殺に関与の疑いのある地球教への対策』だ。もっとも、リューデリッツ伯爵家だけでなく、今、顔合わせに来ているグリンメルスハウゼン子爵家やリューデリッツ伯のご実家、辺境自警軍からも、身辺調査と薬物検査にパスした人員がこの件で動いている。

「子爵閣下、リューデリッツ伯からの親書でございます。お納めください」

私が親書を差し出すと、子爵はお茶を勧めてから内容を確認し始めた。この方はもともと皇帝陛下の侍従武官で、好々爺な雰囲気があるが、鋭い洞察力をお持ちで数々の貴族達の油断を誘いながら、内情や醜聞などを探り出される方だと、事前に注意されていた。ただリューデリッツ伯から聞いていたような好々爺とした印象は事前に伺ったほどではない。
そこで思い至ったが、子爵閣下もリューデリッツ伯も皇帝陛下がまだ殿下だった頃からの昔馴染みだ。そんな方のお子様を弑されれば、憤るのも無理はない。そう言えば基本的にお優しいリューデリッツ伯もこの件では冷たい笑みを浮かべられる事がある。地球教は怒らせてはいけない方々の勘気に触れてしまったという所だろう。

「うむ。そちらの動きは理解できた。オーベルシュタイン卿はケスラー少佐とも顔なじみじゃな?こちらの名代は彼が担当じゃ。抜かりなく頼むぞ。こちらの状況を取りまとめたものだ。親書の形にしておいたが、別紙にも同様の内容をまとめておる。卿の確認用に用意した。リューデリッツ伯の名代ともなれば色々と大変じゃろうが、万事、抜かりなく頼む」

そう言いながらサイドテーブルからファイルを取り出し、私の手元に差し出す。念のた
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