見たいもの
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と思った。
だが、それは違ったようだ。
なぜか。
そして、今までは決して聞くことのなかった仕事を口にしようとした。
なぜか。
リアナの頭の中では、最近起こった出来事がゆっくりと思い出されていく。
アレスとライナが知り合いだったことにショックを受けたのか。
そうであったならば、最初の言葉に反応があったはずだ。
むしろ、それを期待して話題を口にしたのだから。
ワインを口に含み、しばらくして、リアナは指先をはじいた。
「TEL。秘書官につないで」
その言葉で、食卓の脇――棚に置かれたテレビがついた。
しばらくのコール音の後、出たのは信頼する部下の一人だ。
夜遅くであるのにスーツ姿は崩れてはおらず、はっきりとした口調で応対する。
『フェアラート様。いかがいたしましたか』
「夜遅くにすまないわね。先日我が家に招いての商談を覚えているかしら」
『はい。既に今秋を予定している会議の資料は整っております』
「それは一旦保留にして。会議はしばらく延期とするわ――その前に彼を紹介した人間を洗って」
そんな言葉に、秘書官は若干驚いた様子だった。
だが、否定の言葉は見せない。
『かしこまりました』
「お願い」
端的な言葉を口にして、手を動かすと、モニターを消えた。
気のせいならば良い。
だが、石橋は気のすむまで叩くのがリアナの性格だ。
橋はいつか渡ればいい。
その前に崩落してしまえば、築いたものは一瞬にしてなくなってしまう。
それこそがリアナの身上。
「あの子もあの人も、本当にわかりやすいわ」
どこか楽しそうな表情を見せて、リアナはワインを喉へ流し込んだ。
+ + +
惑星シャンプール。
首都ハイネセンとイゼルローンの間に位置する惑星は、気候は穏やかであり、農業惑星としても有名な一方で、イゼルローン回廊へと向けた大規模な前線基地が設置されている。
最も食料品などの糧食の多くは惑星で生産が可能であるため、倉庫に置かれているのは武器や弾薬の数々。
イゼルローン回廊へ向かう艦艇の中継基地であり、最終的な補給基地でもあった。
なぜなら、ここより先は帝国軍に遭遇する可能性が非常に高い星域になるためだ。
アスターテ、アムリッツア、ヴァンフリートなど多くの星域につながるが、それらの多くでは帝国軍との遭遇戦が繰り返されており、今もなお一進一退の攻防が続いている。
そのため惑星シャンプールを含む、シャンプール星域は辺境警備隊が常駐しており、また各宇宙艦隊が係留できる宇宙港も備え付けられている。
大規模な敵が来た場合には、すぐに迎撃が可能な体制が作られているともいえた。
そんな倉庫の一つ。
現在では第五次イゼ
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