第四章
第43話 約束
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今まで、人付き合いが得意だと思ったことはない。
決して人が嫌いというわけではない。むしろ、どちらかといえば好きなほうなのだろうと思う。
だが、自分から誰かに接近していったことは、記憶の限りでは皆無。来るものは別に拒まないが、自分から行こうとはしなかった。
面倒臭がりなのか、臆病なのか。それは自分でもよくわからない。
もしかしたら、両方なのかもしれない。
大学という場所は、そんな自分にとっては気楽なところだった。
クラス活動なんてものがあるわけでもないし、極端な話、勉強だけして単位を取りさえすれば、卒業はできる。人付き合いについては、同じゼミの友人やサークルの友人とだけやっていればいい。それでまったく困らなかった。
新しい味方を得るための努力。それが必要だった状況は、一度もなかった。
子供たちが牢の部屋の中に入りたいと言ってきたため、鍵を開けてもらうことになった。
看守が目で俺に確認をしてきたが、既にダメだとは言えない状況だったため、首を縦に動かすしかない。やれやれという感情だけ、少しだけ目線に込めておいた。
格子の扉が開く。
食事を取りにいったメンバーを除く三名、カイル、エイミー、カナが入ってきた。
まずエイミーとカナが、座っているタケルに寄っていく。
さっそく制御不能な状況になった。
「んー、やっぱりちょっと色が白いかしら。もっと外で焼いたほうがいいわ!」
「え? は、はい。そうですかね?」
「でも細身に見えて、腕は筋肉がしっかり付いているのね! 胸も結構あるわ」
「わっ……ど、どこ触ってるんですか」
エイミーの肌も赤髪がよく似合う白さなのだが、構わず攻めている。
カナも、見た目はおしとやかな日本人形、頭脳は好奇心旺盛な少女だ。タケルのウエットスーツが気になったようで、負けじと攻勢に入った。
「この服は体にピッタリ付くようになっているの? 肌触りもいい感じ……。あら? 背中に大きな縫い目のようなものがある。不思議」
「あ、あの。くすぐったいですので」
「これ、もらうわ」
「あっ、ちょっと! この下は何も着てませんので!」
俺は慣れてしまっているので、「またか」と思うだけなのだが。
タケルは二人の逆セクハラに免疫がないため、非常にキツそうに見える。かなりのテンパりようである。
「あの、リクさん。この子達たちはいったい……」
「ああ。こいつらはこれが平常運転なんだ。ごめんな」
しかし凄い。この少年が敵組織の戦闘員だったということは、子供たちもすでに聞いているはずだ。
普通、こんなに簡単に距離を詰めていけるものなのだろうか?
最後に、カイルが近くに寄ってきた。
タケルの左右は女性二人で埋まってい
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