第四章
第43話 約束
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るので、前のほうに座る。
「ねえ、名前は何て言うの?」
「タケルです」
「オレはカイル。今日から兄ちゃんの仲間なんでしょ? よろしく!」
「いや、僕は捕まってここに入れられているので……」
カイルが手を差し出しているが、タケルは明らかに困惑気味だ。
それも当然のことで、一か月前、神社でこの二人は戦闘を繰り広げたばかりなのだ。
「お前、ついこの前戦ったばかりの相手に、よく普通に近づけるな……」
思わず横から口を挟んでしまった。
すると、カイルは何か問題あるの? というような表情で俺を見た。
「でも兄ちゃん、もう怒ってないんでしょ?」
「もう怒ってないというか、もともと怒ってないから。タケルは仕事でやっていただけだし」
「じゃあオレも怒らないもん」
「はあ」
「ハイ、仲直りの握手」
「あ、はい……」
カイルも強引に懐に入っていく。いったいどうなっているのか。
***
ほどなく、この場を離れていた三人が戻ってきた。
食事をワゴンに乗せている。妙に豪勢だった。
誰が作ったのかと聞いたら、ぽっちゃり男子のエドが作ったとのこと。
孤児院では朝食終了後、午前中の間は院の授業がない。そのため、子供たちはそれぞれがそれぞれの修行先に行っている。
エドは料理人のところで勉強させてもらっているそうだ。
俺も並べるのを手伝った。すぐにちゃぶ台が料理で埋め尽くされる。
部屋自体も、ちゃぶ台と八人の人間で埋め尽くされ気味になった。が、もともと牢の部屋が大きめだったこともあり、なんとか身動きは取れる。
そろそろ座ろうかなと思ったとき、右手を後ろに引っ張られた。
印象はアウトドア派、実際はインドア派の黒髪短髪少年、レンだ。
何だろう?
「いいことを教えてあげる」
「いいこと?」
「リク兄ちゃん、この人と友達になりたいんでしょ?」
――何だいきなり。しかも本人がいる前で。
当然、タケルもこちらを見る。
「友達か。まあ、そんなに違わないかな? 仲良くなりたい」
回答、これでいいんだよな? タケル、不快だったら言ってくれよ?
そんな俺の不安をよそに、レンは話を続ける。
「リク兄ちゃん、さっき、この人と真向かいになるように座ってたよね」
「ああ、そうだな。それが何か?」
「これから仲良くなっていきたいという場合、普通は斜め向かいになるように座るといいと言われてるんだ」
「斜め向かい?」
「うん。目線をぶつけ合うこともないし、どちらもリラックスして話せるから、というのがその理由だよ」
「そうなのか。全然知らなかった。じゃあ俺も斜め向かいに座るようにするか」
そんなことは初めて聞いた上に、俺には
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