機動戦士ガンダム
2198話
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んだろうな、やっぱり。この場合は。
「……分かりました。アクセル代表の言葉を皆に伝えてみます」
俺が引く気はないと判断したのか、ジャンはガレットを食べながらも残念そうに告げる。
「シャドウミラーの力を頼るよりは、それこそツィマッド社やこの世界の技術者達で協力して解決した方が、将来的にはツィマッド社……いや、ルナ・ジオンという国の技術の為にはなると思うぞ」
「言われてみれば、そうですね」
こっちの言葉にあっさりと意見を翻したように見えるジャンだったが、それが本気なのかどうかは、俺にも分からない。
俺の機嫌を損ねないように、そう言っている可能性も十分にあったかだら。
とはいえ、俺にその辺りまでどうにかしろという方が無理なのも事実な訳で……まぁ、困難な事に皆で協力して挑み、その結果として団結力が高まる事を期待しよう。
「では、この件をすぐに他の者達と相談する必要があるので、これで失礼します」
ジャンはそう言うと、残っていたガレットを半ば強引に口の中に詰め込むと、その場から走り去っていく。
その後ろ姿を見送りつつ、俺はガレットをゆっくりと味わう。
ホワイトスターにもガレットを売っている店はあるし、正直なところを言えば、このガレットよりも美味い。
だが、それでも……こうしてクレイドルの街中でガレットを食べるというのは、雰囲気を味わうという意味では、まだ見慣れないだけにホワイトスターよりも上かもしれない。
言ってみれば、祭りの屋台で食べる屋台の料理は、本来ならそこまで美味くはないのに祭りの雰囲気で美味いと感じられるといったとの同じ感じか。
具の8割……場合によっては9割かそれ以上がキャベツのお好み焼きとか、何個かタコの入っていないたこ焼き。
普通の生活の中でそういうのを食べる事になれば、不満しか口に出ないだろう。
だが、祭りという雰囲気の中では、不思議とそのような料理であっても許せるのだ。
俺がガレットを食べながら感じているのも、ある意味でそれに近い。
「あれ、アクセルじゃん。こんなところで何をしてるんだ?」
ガレットを食べながら街並みを見ていると、不意にそんな声を掛けられる。
その聞き覚えのある声に視線を向けると……
「何だ、エンデュミオンの鷹か」
「何だよ、月の大魔王」
俺に声を掛けてきたのは、エンデュミオンの鷹こと、ムウ・ラ・フラガ。
向こうもこっちの言葉に月の大魔王という軽口を返してくる。
……この月の大魔王って異名、俺が思った以上に広がってるんだよな。
いやまぁ、たった1機のMS――正確にはMSではないのだが――でグラナダを陥落させたんだから、強烈な印象を残したのは分からないでもない。
その上で、月の大魔王という異名が広まってい
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