暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第5話 悪意の欠片
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首を横に振る。

「ソレーラさん、そんなこと微塵も知ってそうな感じしませんでしたよ」

「そうか。まぁ、まだ噂話程度でしかないからな。だが、お前らも気をつけておけよ。噂によると何件か依頼帰りの奴らが襲われたらしいからな。幸い重傷者はまだ出てないが、これから出ない、ということにはなり得んからな」

 パードレが真剣な表情で言うこともあり、エースとミストは聞き入るように彼の話を聞いている。彼が真剣な顔になるというのは、それだけ大変なことが起こっているということの証明になり得るくらい、珍しいことなのだ。

「お前らの実力でやられることはそうないだろうが、かと言って知っておいて損はない話だ。お前らが悪いわけじゃないが恨みつらみでこれから標的になるかもしれんし、見かけるかもしれん。もし見つけたら報告を頼む」

「分かりました」

 自分たちにもかかるかもしれない火の粉の発生源は、パードレの言うようにもちろんエースとミストが好んで作った恨みではない。生まれた時から望まずともついてきてしまう、いわば呪いのようなものだ。

 それ故に、自分たちに一切非がなくとも、降りかかる可能性はゼロにならない。それは自分たちが一番よく知っている。

「そしてもう1つ、これは校長としての俺からの依頼という形をとらせてもらう。内容は、可能ならその人物の捕縛を頼みたい、ということだ」

「……また急ですね」

「何かあったんですか?」

 追加される形で言われたパードレからの捕縛依頼。その背景を勘ぐろうと、2人はすぐさま聞き返す。話をした時点で何かしらあるということを考えるのはそう難しいことではない。

 だがそれは内容を聞かなくともよい、ということとイコールではない。

「いや、逆だ。俺としては重傷者が出る前に手を打ちたい。とりあえず、俺はこの事件をうちの生徒によるものだと考えている」

「それは何故?」

「現時点までの話になるが、うちの生徒しか狙われていないからだ。それも、その日に依頼から帰ってくる生徒ばかり。もし犯人がうちの関係者でないなら、これまでに帰宅途中の生徒が1人くらい狙われていてもおかしくないからな。この共通点は偶然とは考えにくい」

「なるほど」

 パードレの語る理由に、エースとミストは揃って頷く。

 確かに、この学校の生徒の中でその日に依頼から返ってくる人だけを襲う、となれば同じ生徒による反抗と考えることが出来る。教師は依頼を受けたかそうでないかという情報しか知らないこともあり、犯人の候補からは外れずとも可能性は低いため、生徒が犯人である、というのが現時点でのパードレの結論なのだろう。そして、その対処を自分たちに頼んだ、と。

 そこまで考えたところで、エースの脳内に新たな疑問が浮かぶ。即座に
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