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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第5話 悪意の欠片
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で生活を送る上で必要な後ろ盾を失うのは、避けなければならない。そうしないと、これからの人生に大きな支障が出てしまう。
「おーい、フォンバレンにスプラヴィーン、校長がお呼びだぞ」
「校長が?」
「分かりました。今すぐ行きます」
その大きな支障を回避する代わりに、目をつけられるようなことはしていなくとも、校長に呼ばれることは避けられない2人。自分たちを呼びだした校長の今いそうな場所――教師棟の最上階へと、揃って迷いなく歩いて行くのであった。
* * * * * * *
「おうおう、来たか少年ども」
生徒たちが学校生活を過ごすのが中学棟や高校棟。
それとは別に色んな教師がいるのが教師棟であり、そこの最上階の一番奥の部屋が校長室。
その中にて、光沢を放つ茶塗りの長机を挟んでその向こう側に座っているのが、この学校の校長であり、2人の現在の親代わりとなっているパードレ・ファルシュである。
性格は大らかというべきか、大ざっぱと言うべきか、細かいことをそこまで気にしない性格である。しかしながら他人への気配りは出来る人間であることから、教師陣からの信頼は厚い。また氷属性魔法の使い手でもあり、エースの魔法の師でもある。
そして何より好ましいのが、このパードレという人物は差別をしないことだ。忌み嫌われる存在である同い年の兄弟姉妹でさえも常日頃から平等に接し、この学校に入れている。そのため差別を日常的にしている生徒はともかく、その他の多数の生徒からは好まれている。エースやミストが信頼しているのも、そういう部分があるからである。
「来ましたけども、何ですか」
「まーそう構えずに。ここ最近ろくに話もしてないだろう」
「それはそうですけども僕らこの時間しか空きないんで、そこんとこはよろしくお願いします」
「む、そうか。しょうがねえなぁ。なら要件だけでも話しておこう」
ミストが早く話すように促すと、色々と話したかったのか、パードレの顔には名残惜しさのようなものが浮かんでいた、だが時間は有限であり、有効に使わねばあっという間になくなってしまう。
普段はただの気のいいおっさんとはいえ、大陸に4校しかない学校の校長を務めるような人であるパードレもその辺の理解はきちんと出来ているようで、その要件へと話は移った。
「率直に聞くが……お前らはここ最近、この近辺で生徒が襲われた、という話は聞いたことあるか? もしかしたら昨晩ソレーラから話がいっているかもしれん」
その口から低く威厳を感じさせる声で語られた話は、聞いただけでその異様さを漂わせるものだった。姿勢を正して聞いていた2人は語られた初耳の情報に関しての問いに、否定の意を示すべく
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