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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第5話 悪意の欠片
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「そうだなぁ……今日はヘルシーにいくか? 野菜炒めとか」
「それエースが昨日文句言ったメニューだよ」
「……そうだっけ?」
このように、他愛ない会話を交わす2人。ここに同じホームルーム教室を使うセレシアが加わった3人で話すこともあるのだが、今日はセレシアがすでに授業へと移動しているため2人となっている。他の生徒は少数が言い伝えに乗っとる形で、大多数がその少数に引っ張られるように極力関わらないようにしているので、他の人は伝達事項がない限りは来ない。
そして、2人になると高確率で起こる出来事が1つだけある。
「『リオート・シールド』」
座席に座ったままのエースが右手を窓側に向けると、そこに薄い氷の壁が出現する。それが造作もなく弾いたのは、氷もしくは岩で出来た礫。地面に落ちて数秒も経たないうちに霧散していくことから、それらは魔法によるものであることが分かる。
向かってきた方向を遡ってみても誰もいないことから、魔法の主はもうすでにその場から逃げ出していたようだ。
「なんとまぁ、意気地なしな人たちだね。面と向かってなら、いくらでも僕たちを殴れるチャンスが来るのに」
「それは反撃なしならの話だろ。対等にやってあんだけボッコボコにしたんだから、面と向かってくるやつなんてそういない。少なくともこのクラスには」
ミストの吐いた毒と皮肉に、エースが涼しい顔で答える。
今のエースたちは高等部の2年生。2人が双子の関係であるという事実が明るみに出たのは1年生の秋ごろであり、その直後は執拗な嫌がらせ行為が続いた。最初は小さなものだったものの、次第に大きくなり勉学に支障が出たために見かねた校長が出てきて勝負をセッティング、キレ気味だったエースがミストと共にクラスで嫌がらせをしていた生徒たちとの2対多のバトルで叩きのめすという離れ技を行ったため、それ以降面と向かってエースたちに嫌がらせをする人はいなくなった。
その代わりに、このような姑息な嫌がらせを行ってくることが増えた。規模が小さいためノーダメージで防ぐことも出来るようになったものの、いつどのタイミングで行われるのかが分からない。2人の時なのかな、と予測を立てた数日後にセレシアと3人で話している最中に狙われた、ということもあったので、現在に至るまで一度も未然防止は出来ていない。
「それもそうだね」
「まぁ、何かあればその都度対処していけばいい。今んとこケガには至ってないわけだし」
出来ることならば後出しじゃんけんのような形ではなく先に手を打ちたいところではあるが、そういった予防策ではなくあくまでも対処という策を取るのは、自分たちの立場上、この学校内で不必要に揉め事を起こすことはよろしくないからだ。
自分たちがこの学校
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