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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第15話:新体制の幕開けー3
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把握したいですね」

ゲオルグが必要な情報を上げていくのに続いて、シンクレアが付け足す。
ゲオルグはほかにないかとその場のメンバーを見回してから、再び口を開いた。

「ではまず、犯人グループの数と配置か。
 ビル内部の監視システムのデータは見られないのか?」

ゲオルグが尋ねると、クリスティアンが首を横に振った。

「ビルの警備会社に提供を依頼したが、事件発生と前後して受信できなくなったということだ。
 図面上のこの位置を掘り返して直接信号線を見てみたが、何も信号が出力されてなかった。
 おそらく回線を物理的に切断したんだろう」

クリスティアンが重い口調で報告するのを、ゲオルグは難しい表情で図面を見ながら聞いていた。

「サーチャーを入れるのはどうだ? 空調ダクト経由で入れられるよな」

ゲオルグはそう言ってシンクレアの方を見た。
シンクレアは腕組みをして少し考えたあと、口を開いた。

「行けると思いますが、制御がうまくいきますかね?あとは数ですか」

「制御ってどういう意味だ?」

シンクレアの答えに対して、ゲオルグはさらに疑問をぶつける。

「内部にコントロール電波が入らない可能性もあると思ってまして。
 というのも、あのシャッターが下りた直後に店内の携帯端末との通話が切れたらしいんです」

「まあ制御は試してみよう。 ダメだった場合はどうするかだが・・・」

シンクレアの説明に納得したゲオルグは、次善策を考えるために、うつむいて目を閉じた。
そして1分ほどの時間を置いて顔を上げたゲオルグの口元には笑みが張り付いていた。

「誰か入ってみるしかないだろうな」

ゲオルグがそれまでよりも少し明るい口調でそう言うと、シンクレアとティアナの
顔色が変わった。

「ゲオルグさん、自分が入ろうとか考えてるでしょ。 ダメですよ。 立場考えてください」

「そうですよ。 部隊長自ら単身で敵地潜入とかありえませんからね」

シンクレアとティアナが厳しい表情で言う。
するとゲオルグは苦笑を浮かべて肩をすくめた。

「善処しよう。 だがな、」

ゲオルグはそこで言葉を一旦切った。
次の瞬間、彼は直前までの柔らかい表情からは一変して、厳しい表情を浮かべていた。

「誰が何を言おうと、俺が必要だと思ったら入るからな」

彼の迫力に気圧されたティアナは固い表情で頷く。
一方、シンクレアは苦笑して頷いていた。

「わかってますよ。次に行きましょ」

「といっても、他の情報もほぼ同じなんだよなぁ・・・・・」

悩ましげに頭をかきながらクリスティアンが言ったその言葉に、
その場の面々はうつむいた。

「クリスティアンの言う通りだ。 だから、これについてはこれ
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