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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第15話:新体制の幕開けー3
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ティアナとウェゲナーのいる最前部までくると、2人と目を合わせて頷きあった。
そして、操縦席に上半身をつっこんで操縦士に話しかけた。

「離陸だ。 現地に着いたら高度20でホバリング。 後部ハッチから降下する。
 完了したら直ちに帰投しろ」
 
「了解しました。 では離陸します」

操縦士の言葉に頷いて、ゲオルグは自分の席についた。
すぐに機体は離陸してクラナガン第8区へと機種を向ける。
ロータが巻き起こす騒音の中で、ゲオルグはウェゲナーとティアナに念話を送った。

[ウェゲナー、ティアナ。 降下完了後は分隊ごとに集合して待機だ]

2人が頷くのを見て、ゲオルグは目を閉じた。
やがてティルトロータは高度を下げ始める。
目を開いて窓の外に目を向けると、彼の視界に事件の舞台である
グランド・ミッドチルダ銀行本店ビルの姿が映った。
地上30階の威容を誇るビルの壁面にある窓には、事前の情報のとおり
すべてシャッターが下りていた。
ビルから2ブロックの周囲に張られた規制線の外側には、野次馬らしき人垣ができている。

『現地に到着しました、後部ハッチを開けますので、降下を開始してください』

スピーカーからの操縦士の声に従って隊員たちが立ち上がる。
そして、最後部に座っていた隊員から順に、ロープを伝って降下していく。
最後にティアナとウェゲナーの2人が降下したのを確認して、ゲオルグは最後部ハッチにある
操縦席との通話用のインカムを手に取った。

「降下終了だ。 ロープを回収して帰投せよ」

『了解しました。 部隊長、お気をつけて』

「ああ、そっちもな」

会話を終えてインカムを置いたゲオルグは、後部ハッチの先端に立つ。
ロープの巻き上げが終了すると同時に、後部ハッチが閉まり始める。
その瞬間、ゲオルグは後部ハッチから一歩踏み出して虚空に身を投げ出した。
ゲオルグは重力による自由落下で地面へと降りていく。
最後、飛行魔法で落下速度をコントロールして静かに地上に降りたつと、
すでに隊舎へと向かい始めたティルトロータの姿を見上げた。
そして地上へと視線を戻す。
彼の前には特殊陸戦部隊の隊員たちが居並んでいた。
ゲオルグは近づいてくるティアナとウェゲナーに声をかけた。

「行くぞ、301部隊と打ち合わせだ」

そう言ってゲオルグは少し離れたところにある、301陸士部隊の指揮所に向かって
歩きだした。
集合する301部隊の隊員たちの前を通って、彼らは301部隊の幹部たちに歩みよった。

301部隊の士官たちも近づいてくるゲオルグたちに気づいたのか、彼らの方へ振り返る。
その中には先に到着したのであろう、シンクレアの姿もあった。

ゲオルグたちは301部隊の士官たちの3m手
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