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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第15話:新体制の幕開けー3
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明することが現場での対応方法を考える上で重要と思いますが、
 これには動機の推定が不可欠と考えます。
 恐縮ですが、この部隊で私以上にそのような活動に向いている人物はいないと自負します。
 よって、作戦行動において多少の不利はあっても、私が現地に赴くべきと考えました。
 また、先ほどの報告書にも記載しましたが、昨日の戦闘訓練において少し集団戦の
 訓練を実施しましたが、特段の問題はありませんでした」

キッとゲオルグの顔を見据えて早口で言うティアナ。
その言葉をじっと聞いていたゲオルグは、ティアナが話し終えるとじっと彼女の顔を見つめた。
そしてしばらくすると、肩をすくめて小さくため息をつくと、ティアナに苦笑を向けた。

「わかったよ。お前の言うことにも一理あるからな、出動はイーグル・ファルコン両分隊。
 いいな、クリーグ」

「はい。フォックス分隊は隊舎にて待機します」

ゲオルグがクリーグに話を向けると、クリーグは大きく頷いた。

「では、出動準備だ。 イーグル・ファルコンの両分隊は10分後にティルトロータに搭乗。
 状況説明は簡単でいいので各分隊で済ませておくように。 以上、解散」

ゲオルグがそう言うと、ティアナとウェゲナーはそれぞれの分隊の待機室に向かって
指揮所から駆け出していった。
その背中を見送ったゲオルグは、残ったチンクに話しかける。

「じゃあ留守は頼むな、チンク。 隊舎への攻撃はまずないと思うが、警戒は緩めるな。
 場合によっては残りの2個分隊を率いて来てもらうこともあるかもしれないが、
 その場合の判断は全てお前に任せる」

「ほかの出動要請があった場合はどうする?」

そう言ったチンクの目は不安げに揺れていた。
そんなチンクにゲオルグは笑って見せる。

「さすがにクロノさんが止めるとは思うけど、それでも要請があった場合はお前に任せるよ。
 責任は俺がとるから、安心して指揮してくれればいいし、相談があれば通信を送ってくれ」

「わかった」

ゲオルグの言葉を聞いたチンクは自信に満ちた表情で力強く頷いた。
ゲオルグはそんな彼女に小さく頷き返すと、踵を返して屋上のヘリポートへと向かう。

階段を駆け上がって屋上へとたどり着いたゲオルグの視線の先に、上に向けたロータを
回転させるティルトロータが待っていた。
ロータが起こす風に逆らって、後部ハッチに向かってゲオルグは走っていった。
彼が乗り込むと、機体の左右の内壁に沿って設置されている座席に隊員たちが座っていた。

「イーグル分隊、全員搭乗完了です」
「ファルコン分隊も同じく搭乗完了です」

前方から聞こえてきたティアナとウェゲナーの声に応じて頷くと、隊員たちと目を合わせながら
進んでいく。

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