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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第15話:新体制の幕開けー3
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けている。
 ただ、強行突入の作戦立案をしようにも、内部の情報、特に犯行集団の人員配置が
 不明らしくてね。その情報収集をシンクレアに依頼できるよう、僕に頼んできたというわけだ』

「なるほど。 しかし、その手の情報収集のノウハウならどの陸士部隊でも持ってるでしょう?」

自分のシートの上で足を組んで背もたれに身体を預けて聞いていたゲオルグが尋ねると、
クロノの代わりにシンクレアが大きく頷いた。

『そりゃそうですよ。 にもかかわらずうちに依頼してきたということは、自前のノウハウでは
 役に立たないってことでしょうね』

シンクレアは眉間に皺を寄せた顔で答える。

「では、特殊陸戦部隊としては出ないということですか?」

『いや。状況からみて突入作戦自体も難しいものになる可能性があるから、
 特殊陸戦部隊に出動してもらう』

クロノがそう言うと、ゲオルグは組んでいた両足をほどいて立ち上がった。

「了解しました、閣下」

背筋を伸ばして敬礼するゲオルグの視線の先で、クロノが答礼した。

『では、あとは頼むよ。 301部隊との連携も含めて現地で調整してくれればそれでいい』

最後にそう言い残して、クロノとの通信画面は閉じた。
ゲオルグはふぅっと大きく息を吐いてから、自分の席に腰を下ろした。

「さて、と。 じゃあ、シンクレアとは現地合流でいいな?」

『そうですね』

「はやてのとこはどうする?」

『いつも通りやね。事態が収拾したら行くわ』

「わかった。 じゃあ、よろしく頼むな」

ゲオルグはそう言ってもう一度立ち上がった。
スクリーンからシンクレアとはやての顔が消え、大写しになったビルだけが映し出される。
ゲオルグは自分の席の周りに集まった士官たちの輪に入った。

「というわけで出撃だ。 現地にはフォックス・ファルコンの2個分隊をティルトロータで派遣、
 ロープ降下により展開する。 現地では301部隊および情報部と協議の上で作戦を決定する。
 イーグル・エレファント両分隊は待機。 ここの指揮はチンクに任せる。何か質問は?」

ゲオルグの指示が終わると、ティアナが一歩前に出た。

「部隊長。 私の分隊に行かせてください」

ティアナの申し出に、ゲオルグは首を横に振った。

「ダメだ。どの分隊も編成を組み替えたばかりだが、イーグル分隊はそれに加えて分隊長が
 2日前に変わったばかりだ。 実戦に出すにはさすがに訓練不足と言わざるを得ない。
 それでもイーグル分隊を出撃させたい理由はあるのか?」

「まず、出撃の理由ですが本事案の特殊性です。
 本事案は通常の銀行強盗あるいは立てこもり事案と明らかに異なる点がいくつもあります。
 この特殊性を解
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