第15話:新体制の幕開けー3
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生と前後して、グランド・ミッドチルダ銀行株の売り注文が増えてるんです」
『なんやて?』
ティアナの言葉を聞いたはやては目を大きく見開いて、驚きの表情を浮かべた。
「報道管制はどうなってる?」
『まだ主要メディアには流れてません。 ネットにはさすがに少しは流れてますが』
ゲオルグの問いかけにシンクレアが答えると、はやてが身を乗り出して割り込んできた。
『ちょい待って。今出てる売り注文はそんなもんやないで。 株価も2%くらい下がってるし』
「ということは、この売り注文は事件の情報を受けてのものじゃないってことか」
「そうなりますね」
ゲオルグの言葉にティアナが頷くと、はやては首を傾げた。
『単に他の要因が重なっただけちゃうん?』
「経営上のマイナス要因は特に見当たりません。 ここまでの売りが出る理由はないです」
ティアナがそう言うと全員が黙り込み、指揮所には再び沈黙が訪れた。
しばらく全員が考え込んでいると、緊急通報の音が鳴った。
『クラナガン8区の銀行強盗事案の続報です。
事件が発生したのはグランド・ミッドチルダ銀行本店。
犯人の数は10名以上、警備システムにより閉鎖されたビル1階で立てこもり中。
現在付近の警邏隊および警防署要員により封鎖線の構築を完了しています。
なお、陸士301部隊が現場へ急行中。 以上』
緊急通報のアナウンスが終わると、ゲオルグは腕組みをして大きく息を吐いた。
「陸士部隊を派遣したってことは、強行突入か」
『ですねぇ。 ただ、現場の情報が・・・・・あ、すいません、ちょっと待ってください』
ゲオルグとのやりとりを中断したシンクレアの姿が画面の外に消える。
ややあって気まずい表情のシンクレアが画面に戻ってきた。
『あーすいません。今ちょうど俺のところにハラオウン少将から連絡がありまして。
どうせなので、こちらに直接つないでもかまいませんか?』
「俺は構わない。 はやてはどうだ?」
『もちろん、かまへんよ』
ゲオルグとはやて、2人の同意を得てシンクレアは横を向くと、ぼそぼそと指示を出した。
するとすぐに、はやてとシンクレアの顔が映し出された画面の傍に、クロノの顔が現れた。
『みんなご苦労だな。すでに情報共有を進めてくれていて助かったよ』
「いえ、ちょっと気になったので。 ところでクロノさんがこのタイミングで出張ってくる
ということは、出動ですか?」
ゲオルグが尋ねると、クロノはわずかに表情を曇らせた。
『ちょっと違うんだ。 クラナガン第8区警防署からの派遣要請に従って、陸士301部隊が
事件解決のために派遣されているわけだが、彼らは地上本部から強行突入の指示を受
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