第15話:新体制の幕開けー3
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彼女はゲオルグの傍まで小走りに駆け寄ってくると、彼に向かって小さく頭を下げた。
「すまない。戦闘訓練に参加していて遅くなった」
「大丈夫だ。まだ、出動すると決まったわけじゃないからな。 状況はフォッケから聞いてくれ」
チンクは頷いて、フォッケの方に歩いていく。
その時、通信担当者が立ち上がって振り返った。
「捜査部、情報部との回線が開きました。 スクリーンに出します」
そして、正面スクリーンの右端に見慣れた2人の顔が映し出された。
「忙しいところ申し訳ないが、今起きてる銀行強盗事案について情報を共有させてくれ。
こちらとしては緊急通報で流れてきている情報しかない」
『じゃあ、俺の方から現地の状況を補足させてもらいますね。
本店ビル1階の店舗エリアに突入してきた犯人グループの数は10〜15名。
行員が緊急用のボタンを押したことにより、店舗エリアの全出入口が封鎖されています。
また、本店ビル全フロアの窓にシャッターが下りていることが確認されています』
シンクレアの言葉を聞いたゲオルグは、正面のスクリーンに映る本店ビルのライブ映像に
目を凝らした。
「確かに、シャッターが下りてるな。 店舗エリアの緊急用ボタンでこうなったのか?」
『建設図面などから確認中です』
「わかった。 あとは、内部の様子は確認できないのか?」
『今のところできてませんね』
「内部の監視カメラはどうなんだ? ハッキングをかければ見られるだろ」
『もうやってますけど、ダメなんです。 原因不明です』
「わかった。 もう少し試してみてくれ」
ゲオルグは軽く手を挙げて謝意を伝えつつ、そう言った。
『ええかな?』
ゲオルグとシンクレアのやり取りが終わったところで、はやてが画面の中で小さく手を挙げた。
ゲオルグとシンクレアが頷くと、はやては口を開いた。
『うちの人間にこの事件の分析をさせてるんやけど、普通に考えれば現金を奪うのが目的になると
思うんよ』
「というか、それしかないんじゃないのか? なあ?」
『そうですね。 俺もそう思います』
はやての言葉を聞いていたゲオルグが、眉間に皺を寄せて顎を右手でさすりながら応じ
シンクレアに同意を求めると、画面の中のシンクレアも難しい顔で考え込みつつ深く頷いた。
『でもな、それやったら10人以上って多くない?』
続くはやての言葉に、ゲオルグとシンクレアは無言でうつむいて考え込んだ。
「あの、いいですか?」
全員が考え込み、指揮所の中が沈黙に包まれたとき、ティアナが立ち上がって声を上げた。
「なんだ?」
「事件の目的についてなんですけど、気になることがありまして。
事件発
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