第15話:新体制の幕開けー3
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て椅子から立ち上がり、椅子をもとの位置に
戻して部屋から退出するべく扉の方へ振り返った。
その時、部屋の中に緊急通報の音が鳴り響き、彼女は足を止めて続くアナウンスに耳をすました。
『ミッドチルダ警防部より入電。 クラナガン第8区の銀行にて強盗事案発生との一報あり。
付近の警邏隊員は至急現場へ急行せよ』
アナウンスが終わったところで、ゲオルグとティアナは顔を見合わせた。
「どうします?」
「銀行強盗ねぇ。 まずうちが出ることはないと思うけど、念のために情報収集だな。
指揮所に行く」
ゲオルグはそう言うと、イスから立ち上がって足早に廊下へと出た。
ティアナはその一歩後ろを続いて歩く。
指揮所へと向かう道程のちょうど半分くらいのところで、横道から飛び出してきたフォッケが
現れた。
「あ、部隊長。 どちらへ?」
ゲオルグの姿を見てあわてて足を止めたフォッケが尋ねると、
ゲオルグは歩みをとめることなく答えた。
「指揮所だ。 お前も来い」
フォッケは無言で頷くと、ティアナと軽く会釈を交わしてから彼女と並んで歩き出した。
やがて、指揮所にたどり着くとゲオルグは部隊長席に腰を下ろし、フォッケはその斜め後ろに
立った。
ティアナは部隊長席から一段下がったところにある、自分の席についた。
「八神上級捜査司令と情報部のクロス3佐との通信をつないでくれ。
あと現時点までに分かっている状況の報告を頼む」
ゲオルグがそう言うと、通信担当者がせわしなく動き出すとともに、
正面の大きなスクリーンにあるビルのライブ映像が映し出された。
「事案が発生したのは、クラナガン第8区にあるグランド・ミッドチルダ銀行の本店です。
通報時刻は最も早いものが10時42分。通報によれば、10名以上が1階の店舗区域に
侵入したということです。 これ以上は現時点では不明です」
「了解だ」
ゲオルグは隊員の報告を聞くと、すぐそばに控えていたフォッケに話しかけた。
「フォッケ。 全士官をここに呼んでくれ。 特に、チンクには急ぐように伝えてくれ」
「了解しましたが、フォックス・ファルコン両分隊は戦闘訓練中です」
ゲオルグはフォッケの言葉に小さく舌打ちして一瞬考え込んだあと、再びフォッケに声をかけた。
「中断させろ。 出るとなれば分隊長に経験のある両分隊になる」
「了解です」
フォッケは頷き、連絡をとるべく自分の通信端末を操作し始めた。
一方ゲオルグも、自分の手元にある通信端末を操作して、アバーライン3佐との通信をつなぎ
出動のための準備をするよう指示を出していく。
アバーラインとの通信を切ったとき、指揮所の扉が開いてチンクが入ってきた。
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