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真ソードアート・オンライン もう一つの英雄譚
第一部
インテグラル・ファクター編
世界の終焉
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俺たちは一旦別れてコハルと二人っきりになる。崩れゆくアインクラッドを見ながら座っていた。

「コハル。ごめんな?」

苦笑いしながらそんな事を言う。
そしてコハルは笑いながら泣いて、

「しょうがないなぁ……許してあげる」

そう言ってくれるコハルに感謝しかない。ああそうか……俺は……

「コハル。約束、覚えてるかな?」
「……うん」

横に座るコハルの方を見る。コハルもこちらを見た。夕陽の光を浴びたコハルの顔は幻想的で何て言うか、可愛らしかった。前にもこんなコハルを見たなって思い出す。そう、この二年間は本当に色々あった。

「あの時の答えを……聞いてほしい。いいかな?」
「もちろんだよ。聞かせて」

俺はゆっくり深呼吸する。

「俺、コハルの事が好きだ。現実世界でも俺と一緒にいてくれないか?」
「うん!喜んで!」

俺たちは抱き合った。コハルの目からまた涙が出てきていたのを今度はそっと拭いてあげた。




「……終わっちゃうね」

ポツリと、肩によりかかったコハルが呟く。
抱き合った後、二人で座り、崩壊するアインクラッドを眺めていた。
だが、それも終わり。もう、今にもアインクラッドの全てがなくなってしまう。

「名前」
「名前?」
「うん。リアルで、また会いたいから。アヤトの現実世界の名前教えて?」

不安そうに尋ねるのは、断られるかもと考えているのだろうか。
俺はフッと笑うとコハルの頭を撫でる。

「俺は絢辻颯斗。15歳……いや、今は17歳かな」
「え!?私も!!私も17歳だよ!始めた時は15歳だったからね!って言うか絢辻颯斗で『アヤト』って!ふふっ」
「な!いいだろ!思いつかなかったんだよ!それよりコハルは?」
「小野寺遥。17歳です!」

そんな会話をしているうちに、完全にアインクラッドが消滅した。同時に、世界が消えていく。

「じゃあ、またリアルでね」
「おう」

座ったまま、どちらからともなく抱きしめあう。

「やぁアヤト。……お邪魔だったかな?」
「ふふっ二人も遂にゴールインしたみたいね。おめでとう」
「ありがとうアスナ!」
「二人とも現実世界でも会いたいからな。名前を教えるよ」
「わかった。俺は絢辻颯斗。17歳だ」
「絢辻颯斗でアヤトか……。本当に俺たちは似ているな。俺は桐ヶ谷和人。16歳だよ」
「それでキリトか。ホントだな」
「私は小野寺遥。17歳です」
「私は結城明日奈。17歳です。アヤト君とコハルは同い年だね」

一通り情報を交換する。

「それじゃあ……」
「「「「またね!!」」」」

四人で拳をぶつけ合うと光に包まれた。
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