第一部
インテグラル・ファクター編
世界の終焉
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「終わりにしようか、この戦いを」
俺たちとヒースクリフは剣と槍を構え直すと、そのまま一直線に突っ込んで行った。
「ん……んん」
「アヤト、目が覚めたか」
「キリト?ここは……?」
俺は寝てたのか?何で……?
周りを見渡すが、本当に何もない場所だ。ただ、地面と空が広がっているだけ。
そう、勘違いをしていた。
「────っ!?」
振り向くと、そこには巨大な何かが浮かんでいた。いや、俺はあれを知っている。およそ2年前俺はあれを見ている。
あれの……名前は。
「アインクラッド。あれが、今から崩壊する」
突然後ろから声を掛けられ、慌てて振り返り臨戦態勢をとる。そこで、武器の類がないことに気が付いた。
振り返った先には、白衣の男がいた。誰か、などと聞くまでもない。
「茅場……晶彦」
「そうだ」
雑誌で幾度となくみたその姿。デスゲームの元凶。
その男がいて、SAOというデスゲームの舞台であるはずのアインクラッドが崩壊する。
「つまり────俺たちは、勝ったんだな」
何故だか、よく思い出せはしないが。
俺たちは勝つことができたようだ。
「ああ、私は敗北した。幼少期よりとりつかれていた、あの鋼鉄の城へ行けたのだ、悔いはない」
「……今の状況、これはなんだ?」
俺たちの勝利。なら、茅場晶彦は死んでいる。なのになぜ俺たちも一緒にいるのか。
もしかしたら、俺たちの勝利ではなく相打ちだったのではないか。
俺の不安を読み取ったのか、茅場は「安心したまえ」と笑う。
「この景色を見てほしくてね。ボーナスタイムだとでも思ってくれ」
「……そうか」
それから、しばらくは景色を眺めていた。
少しずつ、アインクラッドが崩壊していく。
茅場によれば、生きていたプレイヤーは現実への帰還を果たしたらしい。死んだプレイヤーは、実際に死んでいるため、どうすることもできない。わかっていた……ことだ。 俺たちは視線を落とす。
「……そろそろ、私は行く。もう1つ、ボーナスを用意しといた。きっと喜んでもらえると思う」
そう言って、茅場は歩き出す。
その先には何もない。だが、確かに歩いていった。
「最後にアヤト君、キリト君。ゲームクリア、おめでとう」
そう言って茅場晶彦は消えていった。
それにしてもボーナスか……この景色は、あいつと見たかったな。
「アヤト?」
「キリト君?」
またしても、突然後ろから声を掛けられる。
だけど、今回は驚かない。なんとなく、察しがついていたから。 俺たちは振り返る。
「コハル」
「アスナ」
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