第一部
インテグラル・ファクター編
世界の終焉
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」
「!?君は……」
ヒースクリフの突進は、その場に現れた一人の剣士によって攻撃を逸らされ、俺に当たらずに済んだ。
「お、お前は……」
「まさか、君も現れるとはね。……キリト君」
「俺だけじゃないぜ」
「私たちもいます」
「アヤトの予想通り、団長が茅場晶彦だったんだね」
「アスナ君にコハル君もか」
キリト達はヒースクリフの方を向きながら、
「アヤト。一人でラスボスに挑むなんて水臭いんじゃないか?」
「ええ、私たち友達じゃない!」
「アヤトは言ったよね。私たちは絶対生き残るって。ここでアヤトが死んじゃったら私たちの約束はどうするの!?それに、まだあの時の答えを聞いてない。ここで死ぬのは許さない。絶対に許さないから!!」
「コハル……。キリトにアスナも……そうだよな。ごめん」
助けられ、協力して、ボスを倒す。ああそれはなんて都合のいい展開なのだろう。
けれど、それは許されることではない。
「うっ」
「ぐっ」
コハルとアスナが、その場に縫い付けられるように床に押し付けられる。 ステータスをみれば、二人は麻痺状態が付与されていた。
「いや、驚いた。乱入者がでてくるとは」
やった者など、考えるまでもなく一人だけ。
ゲームマスターは、楽しそうに笑っている。
「邪魔されたことに怒るかと思ったんだがな……」
キリトが自由の利かない体でヒースクリフを見上げながら言う。
「本来ならば、レイド戦となるのだ。数人人が入ったところで、そこまで騒ぐことはしない」
つまり、ボスとして戦うはずだったということだ。 頭の回転が速い三人だ。それだけで、奴が茅場晶彦であること、彼が100層のボスであったことが全員の頭の中で理解した。
「だが、今はそうでないのでね。先程のキリト君は特例とするが、君たちには動けなくなってもらう」
それで麻痺、というわけだ。ひとまず、ただの麻痺で安心だ。それだけなら、このまま死ぬことはない。
「何故俺だけなんだ?」
「簡単なことだ。君たちのコンビネーションは素晴らしかった。アヤト君だけでなく、キリト君。君とも戦いたくなったのだ。ではアヤト君、キリト君。再開といこうか」
「……いいの────」
「────いいのか、などと聞くのは、野暮というものだろう?」
「……そう、だな」
相も変わらず、この男は楽しそうに笑う。
ああ、確かに……野暮だったようだ。 決着は、再開から1分も経たずにつくだろう。俺は……いや、俺たちはこの男を殺すと決意した。こんなデスゲームを作った男だ。こいつを恨んでいる人間など、いくらでもいる。俺たちは、この男を……茅場晶彦を殺す。そしてこのゲームを終わらせる。
けれど、きっと。
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