機動戦士ガンダム
2197話
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正直、予想外の景色だ……」
俺の言葉にそう返しながら、美鶴はただひらすた目の前に広がっている光景に視線を向ける。
最近の美鶴はシャドウワーカーの方でも色々と忙しいらしいし、こうして気分転換をするのも必要だろう。
大学に通いながらシャドウワーカーを運営しているのだから、美鶴の急がしさは普通の大学生とは思えない程だ。
……まぁ、それでも時々はホワイトスターまでやって来て、俺と一緒の夜をすごしたり、魔法球の中で休日を取ったりといった事をしてるのだが。
それでも、どうしても他の恋人達に比べると俺と一緒の時間が少ない訳で……その辺りの理由から、今日と明日は俺が美鶴とデートする事になったのだが。
「ほら、美鶴。まだちょっと寒いだろ」
北海道の山奥となれば、5月になっても東京のように暖かくはない。
それどころか、寒いとすら言ってもいい。
混沌精霊の俺にとっては全く問題のない気温だったが、人間の美鶴にとってはそうもいかない。
そんな訳で、空間倉庫の中から取りだした暖かい紅茶――缶紅茶だが――を美鶴に渡す。
「ああ、ありがとう。……暖かい、な」
缶紅茶を握りながら、その暖かさを堪能し……それでも、目の前一面に広がる桜の花を見るのを止めない。
俺もまた、そんな美鶴の隣で、それ以上は特に何も言わずに満開の桜を楽しむ。
にしても……桜ってのは基本的に人間は植樹して増やしていくって何かで聞いた事があったけど、もしかしてこれも誰かが植えたのか?
けど、こんな山奥に?
となると、野生種?
いや、桜に野生種とかがあるのかどうかは分からないし、あっても未だに存在するのかどうかも俺には分からないけど。
ともあれ、1つだけ言える事は……目の前に広がっている大量の桜は、目を奪われる程に見事な美しさを持っているという事だ。
ホワイトスターやクレイドルにも、出来れば植えたいと。そう思ってしまうくらいには。
ああ、でもクレイドルは今は色々と忙しいから難しいだろうけど、ホワイトスターの方なら、特に問題はないか?
もっとも、もう5月である以上、次に桜の花を見る事が出来るのは来年になるのだが。
桜にも枝垂れ桜や八重桜といったように、様々な種類があるから植える場所だったり、種類だったりがあったりする。
その辺りの事情を考えると、移植する際には色々と考える必要もあるんだろうな。
「綺麗、だな」
「ああ」
美鶴の言葉に、短くそう返す。
美鶴にしてみれば、ここ最近はずっと忙しい時間が続いており、こうしてゆっくりとする時間はとれなかったのだろう。
いやまぁ、魔法球でゆっくりしているので、全くそういう疲れがなかったとは言わないが。
それでも、たまにはこういう時間を作るのも、間違いなく良か
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