第四話 十数年前の遺産
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色々とブラフ『嘘』と『でまかせ』を混ぜ合わせて秘匿してきたシークレット情報だ。ある一定の人物は知り得ても能路や上の上層部は新型機の片鱗すら知らない筈だ。適当に言ってるだけならいいが…もし仮に何らかの情報を得ているのなら少し困った事になるかも知れない。
「おや、そうなのですか?」
さて、これは惚けているのか巫山戯ているのか。どちらにせよタチの悪い奴だ。
「新型機の中核を成すパーツが不足してましてね。
外見だけならお見せできない事も無いですが、それはお楽しみに取っておいた方がいいと思います」
「ほぉ、それはとても興味深いですねぇ」
ニヤニヤと薄ら笑いをしながら能路は持参していたアタッシュケースからクリアファイルを取り出し差し出してきた。
「これは?」
「来月に行われる模擬戦の対戦相手の情報をまとめておきましたので良かったら使ってください」
どういう風の吹き回しなのか敬遠の仲である筈の能路が、蟹瀬に手助け?
おいおいこれは何の冗談だ。
「そんなに警戒しないで下さいよ。これは僕からのプレゼントです」
余計に怪しいわ。と心の中で突っ込み…恐る恐る差し出されたクリアファイルを受け取る。
「一応、ありがとうと言っておきます」
「いえいえ。どういたしまして」
全くもって何が目的なのか解らないが手詰まりである今の状況で有り難い差し入れだ。
……なんたが、素直に受け取っていいものかと警戒してしまう。って、もう受け取っちゃったんですけど。
「で、代わりと言ってはなんですが」
まぁ、そんな事を言うとは思っていたが…いけ好かない笑顔の能路を見ると話を聞く気にもなれない。
「分かりましたよ。見せればいんでしょ、」
「話が早い。お願いします」
さて、どんな機体が待っているのやら。
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