第四話 十数年前の遺産
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みると日本人はマメな人種だと有りましたが、マメとはどういう意味なのですか?」
「律儀、とか気が利く、かな」
「なるほどぅ。記録しました」
満足気な表情で一礼するL。
質問し、理解し納得する所はAIの学習機能とも言えるが…画面上でのLの仕草を見るとやはりこのAIは普通では無いと考えさせられる。このAIの『本当』の親であるアルとは一体、何者なのやら…?
いや、待てよ。アルはAIだから何者と言うのはおかしいな。
「うはぁー。なんですかこのコンテナは?」
あかん。殺意で胸糞な気分や。
そいつは以前と同じで怠そうな表情なのにスーツをビシッと決めた役人の手先で、Lの力を借りて徹底的に調べ上げたところ過去の詳細は何らかの方法で隠蔽しており現在は有坂 能路と名乗っているそうだ。
「やぁ、能路さん。この前はどうも」
殺意を抑えて何とか笑顔を作りつつ言った。
「あれ、名前を名乗ってしまっけ?」
「存じ上げてませんでしたから自力で調べました。はい」
「それは失礼しました。では、改めて自己紹介を」
「いえいえいえ必要ありませんよ。時間の無駄ですから、」
「まあまあまあ、いいじゃないですか自己紹介くらい」
「いえいえいえ、私し無駄に時間を使うのが嫌いでして」
「まぁまぁまぁまぁ、そこをなんとか」
「いえいえいえいえ、結構です」
あははははっ。と互いににこやかに笑みを浮かべるが二人共、目が笑っていない。
Lは不思議そうに俺達のやり取り…もとい、睨み合いを眺めているが、基本的にLは俺以外の人間と会話しないように言い聞かせているから問題ない。
「で、何の用です?」
コイツとは話したくもないし関わりたくもない。早くここか離れされる為に要件を聞くと。
「用というか何というかですね。進捗の方はどうかなと見に来ました」
「そうですか。わざわざ御足労頂きありがとうございます。ではお帰り下さい」
出口はあちらです、とついで付け足しここから立ち去るように促すが能路は。
「少しくらい見せてくださいよぉ、けちんぼ」
なかなか出ていこうとはせず居座ろうとしている。
あの怠そうで舐め腐った顔をぶん殴りてぇ…と思いつつも怒りを抑え、蟹瀬は一息付く。
「なんでも今回は物凄い新型を開発したそうじゃないですか。上の方々も気になって夜も眠れないと言ってしまった」
それは…兵器として成り立っているのか不安だから気になって眠れないのか?と少し聞きたくなったが、
「と言われましてもお見せできる大層なものは有りませんよ」
実際、現段階では新型機の建造は三割程度。完成どころか形にすらなっていない状態だ。そんな状態の『アレ』を見せても反応に困るのは目に見えている。
ていうか…何処から新型機の情報を入手したんだ?
現在、制作中の新型機は
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