第四話 十数年前の遺産
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。別格だ。
それに…なんだ。この違和感は?
最初は映画感覚で動画を見ていてたが、実際にこの動画が実際にあった出来事だと発覚したにも関わらず『未だに』現実感の湧かない映像だ。
なんて言うのか。まるで『ゲーム』のプレイ動画を見ているような感覚。
もう訳が分からない。支離滅裂している。
これは実際にあったテロ。そこは理解している。だが、空を浮遊するAS?とか存在するのか?元から疑問しかなかったが、冷静になってみれば新たな疑問点が幾つも浮かび上がってくる。
「なぁ、この動画の最初の所なんだが…」
動画をベージュの機体と白いASの戦闘まで巻き戻す。
「ここがどうかしたか?」
「最初は目の錯覚かと思ったんだが…気になってな、」
白いASがナイフでベージュの機体を貫こうとした時、ベージュの機体は手の平で防いでいた。いや、防いでいるように見えていた。何度も目を疑った。普通ならナイフは手の平を貫通し、それで受け止めたなら納得のできる光景だ。だが、これは手の平で防いでいるのではない。何か別の方法でナイフの切っ先を受け止めている?
「これって…」
白いASのナイフは、ベージュのASの手の平で推し留まった。
遠目なら防いでいるように見えるが動画を拡大し目を凝らしてよく見ると少しだが、ナイフは手の平に付いていない。それどころか何かによって防がれているようにも見える。
「知ってたか?」
一応、風志に確認しておく。
「いや、こんなの今の今まで気付かなかった」
風志自身もこの動画を何度か見て確認している様子だが、この異常な現象には気付いていなかったようだ。
まぁ、空飛ぶASが登場すればこのナイフの一撃を何らかの力で受け止めるなんて些細な事か?いや、全然些細じゃない。こんなの非現実的だ。
少しゲーム感覚でこの動画を見ていた事を反省していたが、これは現実的ではないぞ?
「空飛ぶASに謎の力…これってSF映画のPVか?」
それなら納得出来る。それでこのモヤモヤも解消される。俺はそれで納得してしまう。
だが、風志は納得しないだろう。
「………」
何とも言えない表情だった。
煮え切らない自分の感情に迷っているのだろうか?
「待たせたな、」
それは、とてもタイミングのいい登場だった。
「弁慶さん、」
「おいおいどうした?そんな暗い顔して?
なんか嫌な事でもあったのか?」
そう言って弁慶は微笑みながらテーブルの上に飲み物とケーキを置いていく。
「いえ、別にそういう訳では…」
「深くは聞かんが、なんかあったら相談しろよ」
そして「じゃ、ごゆっくり」と言って弁慶は去っていった。
弁慶の登場により少しだけ場の空気が変わった。
並べられたケーキと飲み物も有難く頂戴しよう。
「取り敢えず、食べよ
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