第四話 十数年前の遺産
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。ということは、この動画は『実際』にあった出来事を撮影したもの?
「この動画はいつ撮られたんだ?」
「深くは聴かないのね」
「あぁ、大凡は検討が付く。だが、まだ不確定な要素が多い」
場所は日本で確定。だが、時系列は現代ではない。
最近では無い。だが、それほど昔という訳でも無い予想だが…十数年前だと推測する。
こんな戦闘が日本で行われた…というのはテレビのニュースでも観た事がない。
「これは日本の何処のいつ撮られたものなんだ?」
「要点だな。まず、場所は東京の都立神代高校付近。そしてこの動画が撮られたのは2000年代初期だ」
「都立…神代高校?」
高校の近くで撮影されたという事か。
そう言えば…さっきの映像では学校の校舎らしき物が映っていな。
「この動画の撮影者は、当時の迅雷高校の生徒で謎のAS達の戦闘に巻き込まれないように逃げながら撮影してたらしい」
「逃げながら撮影ね。動画の途中の所、近付いてなかったか?」
「無理ねぇよ。だって、こんな平和で戦争の『せ』の字も見当たらない日本で、こんな刺激的な出来事が目の前で繰り広げられたら近くで見たくなるのが人の性(さが)ってやつだ。まぁ、俺だったらもっと近付いて観戦してるだろうけど…」
「おい」
「冗談だよ。それに、こんな大規模な戦闘が日本で行われる事なんてまず無い」
「だが、これは実際に日本で起こった出来事なんだろ?」
「そりゃそうだが、これは非常にレアなケースだ。天災と同じだよ。十年に一回有るか無いかの」
「こんなのが十年に一度でも起きたらたまったもんじゃない」
この映像で繰り広げられている戦闘は本物だ。
学校帰りに寄ったゲーセンのゲームとは違う。その違いをどれだけ理解できるかによって危機感の差は出るだろう。
「あ、そろそろ終わるな」
動画は残り二分程度…この動画の撮影者はよくこの戦闘の中ここまで居られたものだ。
「で、本番はこれからな訳ですよ」
「?」
どういう事だ?
最初からクライマックスみたい映像だが────。
突然、白いASの背後に真っ黒い何かが現れた。
「え!?」
それは白いASとは真逆の黒いAS。
だが、こんなASは見たことがない。
「コイツは…?」
「このテロの首謀者と思われる機体だよ。見ろよ、この桁外れの戦闘力を」
黒いASは武器も構えず素手で白いASに接近戦を仕掛けた。
白いASは距離を取ろうとするが────速すぎる。黒いASの瞬発力は異常で、距離を取っていた筈の白いASの背後に一瞬で回り込んだ。そして右腕を刀のように振り下ろし白いASの左腕を斬り裂いた。
「デタラメだ…」
あのベージュのASを圧倒していた白いASが押されている。
武器も構えず、素手で白いASを圧倒している。
「
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