第四話 十数年前の遺産
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なる前に止めておこう。
「冗談だ。でも、見習う所は多くある」
「だよな…って冗談?」
「爪の垢の事だよ。弁慶さんに迷惑だから言うなよ」
「成程、把握した」
そして俺達は奥の席に座る。普段は手伝い『アルバイト』として働かせてもらってるから客として座るのはとでも新鮮だった。
「さて、では始めますか!」
「はいはい。そうだな、」
「んだよー。ノリ悪いなぁー」
「へいへい。で、話ってなんだ?」
単刀直入に話を聴いて迷惑になる前にここから出よう。そう判断し、さっさと要件を済ませようとするのだが…。
「俺さ。ガキの頃から探してるASが有るんだ」
「は?」
それは予想外の発言だった。
予想の斜め上を行く発言だった。
「リピートアフターミー?」
「俺さ。ガキの頃から────」
「繰り返さんでもいい。
で、えっと…うん。何の話だ?」
ゲーセンの時から風志の雰囲気が変わって少し気になっていたが…その原因はAS?
「まぁ聞いてくれ。
って言っても口で話すよりもこいつを見せる方が早いか…」
風志はスマホを取り出し操作し始め、スマホを俺に差し出してきた。
俺はそれを受け取り画面を確認すると…何やら動画らしきものが表示されている。風志も「再生して見てくれ」と言うのでタップする。
「────?」
そうして再生された動画はいきなりの展開だった。
これは恐らく、数年前…いや、もっと前だな。十年以上前の動画だ。そしてこの動画で繰り広げられる『AS』の戦闘は、まるで映画の戦闘シーンのようだった。
所々で映される動画の背景は日本の風景を映し出されており、この撮影現場は日本であると推測できる。そして撮影者の頭上を何やら巨大な物体が通り過ぎていく。
白いASがビルの屋上を駆け、一つ目のASに飛び掛かる。
「これは…?」
実写映画か何かか?
それならこの大迫力の戦闘も理解できるが、それにしては所々ピントのズレた動画だ。まるでのこの戦闘から逃れるように撮影している。
…と思いきや、今度は少しずつ接近し始めた。
近付く事によりくっきりし始めたASの輪郭。
白いASは何処と無く、M9と似ている。その白いASに襲われているベージュの一つ目は…シャドウと似てなくもない。
どちらもゲーセンで人気上位の機体だが…これは十年以上前の動画で当時はこの二機のアーム・スレイブはとても高価で日本では配備されていない筈だ。なのに、このAS達は日本の街中のど真ん中で戦闘を繰り広げている。これは…何なんだ?
「映画の撮影…とかでは無いな、」
動画で繰り広げられている戦闘は間違いなく実写だ。それは素人である蒼太でも分かる。だが、問題はこの動画の内容だ。日本で、それも素人の撮影となるとこれを撮影していたのは一般人と推測できる
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