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勇者番長ダイバンチョウ
第25話 かつての敵は今日のダチ公!? 面倒臭ぇ事は酒に流して一気呑み
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ち、3サイズ位上の紋付が今にもはち切れそうに悲鳴を上げている。

【久しいのぉ。こうして顔を合わせたのは数百年ぶりだったかなぁ?】
【そうだな。正確な年数は忘れたがそれくらいだと思うぞ。久しぶりだな・・・我が宿敵、≪ホエール・ガイスト≫よ】

 両者が並び立ち、互いに熱い視線をぶつけあう。
 視線と視線がぶつかり合い、火花が散る光景は回りからも見て取れる程だった。

【おい、あれって・・・宇宙海賊ガイスターの頭目じゃないのか?】
【あいつがか? あのゴクアク組ですら戦いを拒否したって言う大海賊の頭目】
【俺、初めて見たぞ・・・・にしてもでっけぇなぁ・・・流石は頭目なだけはあるな。すげぇ貫禄】

 周囲の呟きもそうだが、確かにとレスキューは納得が出来た。
 今、こうしてバトル太郎と並び立っていても分かる。バトル太郎は兄弟一の巨体を誇る。
 そのバトル太郎よりも巨大な存在が目の前に居る。
 まるで巨大な山だ。

【んで、其処のちんまいのが・・・例の末っ子と言う訳か?】
【そうだ、我ら自慢の弟だ。まだ名前は拝借されていないのが残念なのだがな】
【お前の弟だ。いずれ名を貰えるだろうが。焦る事はあるまいて】
【そうだな】
【おっと、そう言えばだ・・・おい!】

 ホエールガイストが声を掛けると、それに応じるかの様に後方から誰かが歩み寄ってきた。
 ホエールガイストに比べると小柄ではあるが、それでも巨体である事に変わりはない。
 こちらはシャチを彷彿とさせる顔立ちをしていた。

【紹介しよう。わしのせがれだ。ほれ、自己紹介せぃ】
【・・・・オルカ・ガイストだ。今回の式典に来た目的は一つ。俺が狩るに値する獲物がいるかどうか見定める為だ。雑魚に用はない。強者だけが俺の望みだ】

 堂々と、周囲に聞こえるように宣言するオルカガイスト。その言葉を聞いた周囲の来賓達の視線がオルカガイストへと注がれるが、当の本人は全く気にしてなどいない様子だった。

【全く、此処は神聖な式典を行う場だと言っておいた筈だぞ。軽はずみな行動は控えるようにと言っておいただろうに】
【興味ない。俺にとってはゴクアク組も星雲組も同じ獲物に過ぎない。だが、今回の式典で見定めるとするさ・・・星雲組が俺の腹を満たす器なのかどうかをな】
【・・・・・・】

 そう言い放ち、周囲の視線など気にする様子などもなく、オルカガイストは式典が終わるのをひたすら待っていた。
 そんなオルカガイストの若さ故の血の気の多さに父ホエールガイストは小さく溜息を吐くばかりなのであった。




 余談ではあるが、このオルカガイストが後に父の跡を継ぎ片腕とも呼べる部下達を従えて宇宙全土を荒らし回る事になるのだが、それはまた別の時代の話と言う事でーーー


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