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勇者番長ダイバンチョウ
第25話 かつての敵は今日のダチ公!? 面倒臭ぇ事は酒に流して一気呑み
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の手だけでは宇宙に秩序を取り戻すのが困難になっているんだ。このままこんな時代が続けば、恐らくこの宇宙から生命体は絶滅する危険性すらある」

 その言葉は正に衝撃を受ける程だった。
 宇宙から生命が消え失せる。それは認められる事ではない恐ろしい事だ。
 
「それを阻止する為に、我々が一丸となって動いているのだが、正直それも限界に近い。情けない話だが、現状の私たちの戦力ではこの宇宙全土の秩序を守り抜く事は不可能なんだ」
「随分と弱気だな。そんなに宇宙警備隊ってのは戦力が少ないのか?」
「戦力規模で言えば太陽系全土を防衛し切れる程はいる。だが、宇宙と言うのは広い。その広い宇宙の至る所に悪は存在している。そして、その悪と悪が互いに争い、弱き人々を食い物にしている。それが今のこの時代なんだよ」

 重々しい言葉が番達の脳裏に突き刺さる。宇宙の広さなど正直理解しようがない。ただだだっ広いとだけしか考えていなかった。
 そんな宇宙が今、大勢の悪同士でのぶつかり合いにより疲弊しだしていると言う。
 
「この事態を少しでも緩和する為には、誰から見ても圧倒的強大な組織の存在を宇宙全土にアピールする必要があるんだ。それも、ゴクアク組のような見境なく食らいつくすような悪ではなく、仁義を胸に抱き絶大な統率によって組織された悪が必要なんだよ」
「その為にも、星雲組の復活を大々的に行う必要がある・・・ってぇ訳か」
「そう言う事、理解出来たかな?」
「一応理解は出来たんだけどよぉ・・・何か霧消に腹が立ってくるんだが」
「ま、気にしない気にしない」




     ***




 そんな訳で場面は冒頭に戻る。ノルウェールはその後、会場の設置やら来賓への招待状の作成、その他様々な面でバックアップしてくれたお陰で式は思いのほかスムーズに事が運んでいた。
 そして、現在ーーー

 番とレッドが対面に立ち、その間に立つ形で星雲組組長とノルウェールことフレイムナイトが鎮座していた。

【ノルウェールさん、今回のこの式・・・資金援助から設置に至るまで貴方が負担して下さったそうで、星雲組を代表して礼を言わせて欲しい】
【若、今は星雲組の強大さを知らしめる重要な式典です。くれぐれも軽々しく頭を下げてはなりませんよ】
【そ、そうでした・・・】

 今回に限り、ノルウェールはこの式典内でのみ星雲組組長の護衛の役を買う一方で式典の仲介人を買って出てくれた。
 これにより、星雲組の名は全宇宙の悪党のみならず、宇宙各地で活動をしている宇宙警察や宇宙警備隊にも知れ渡る事になる。
 そうなれば自ずと力のない悪の活動が委縮するとノルウェールは睨んでいた。
 あわよくば力のない悪を星雲組に取り入れ、懐柔させた後人々に害のない悪へと変化させる。

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