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勇者番長ダイバンチョウ
第25話 かつての敵は今日のダチ公!? 面倒臭ぇ事は酒に流して一気呑み
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いんだね】
【んでもって、そんなあんたが俺達みたいな悪同士の戦いに介入したとあっちゃぁ、世間の目は一体どっちを頼れば良いか分かんなくなっちまう。そうだろ?】

 番の問いにノルウェールは答えず、ただ拍手で応じるのみであった。

【素晴らしい。正にその通りだよ】
【あんたの言い分は飲む。これから先、俺達はあんたの助力は受けない。あんたらはあんたらで力のない人たちの縋る希望にでもなってくれれば良い。汚れ役は俺達が引き受けるさ】
【ふふふ・・・似てるなぁ、君は】
【は?】
【昔ね、君に良く似た若者に出会った事があるんだよ。その若者は遥か遠い未来から来たと言っていた。今のこの時代からだとそうだなぁ・・・約20年後と言ったところかな?】
【20年後? 随分先じゃねぇか】
【そうでもないさ。20年なんてあっと言う間だよ】
【うへぇ、怖ぇ怖ぇ・・・んな事言ってたら俺なんてあっと言う間に爺さんだぜ】

 軽口を叩きながらも、番のその目にはぎらついた闘志が宿っているのが見えた。
 益々似ている。その目の闘志と言いひょうきんそうな態度と言い、何処となく≪彼≫に似ている。

【彼は時を渡る術を持っている。恐らくもしかしたら君たちの居る時代にも顔を出すかも知れないよ】
【へっ、面白ぇじゃねぇか。だったら未来の番長ってのがどれほどの強さか拝められるって訳だな】
(まぁ、彼らは勇者と名乗ってたから番長ではないのだろうけどね)
【良いかい番君。君が今立っている場所はこの後に現れるであろう大勢の勇者達が現れる前の時代なんだ。だからこそ、今君たちが悪に屈する訳にはいかない。どんなに過酷な戦いであったとしても、決して負けは許されないんだ。これだけは肝に銘じておいてくれ】
【良く分かんねぇけどよぉ、要するに喧嘩で負けなきゃ良いんだろ? 任せておけって。どんな奴が相手でも負けやしねぇよ】
【そうかい、その言葉が嘘偽りでない事を切に願うよ】

 そう言い残し、ノルウェールは静かにその場を去った。彼がこれ以上残っていても意味などないし、逆に疑いの目を向けられる危険性もないとも限らない。
 それに、これから先、自分は悪同士の戦いの余波で苦しむ人々を救済すると言う大任が残っているのだから、此処で時間を潰している暇はない。

「ふぅ、久々に大勢の人の前で演説したもんだから肩が凝ったよ。やっぱりこう言う系の仕事はやり辛いねぇ」
「その割には随分立派に果たしていたじゃないか。ノルウェール一佐殿」

 ふと、自分を呼ぶ声が聞こえた。声のした方を向くと、其処には番長と書かれた仮面を被った長ラン姿の男が立っていた。

「君か・・・どうだい、今日の彼は」
「まだまだだな。まだあいつは戦いと喧嘩の区別が出来ていない。この様子では近い内・・・あいつは負ける事
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