第四章
第41話 牢獄
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明を始めた。
「ついさっきまで、ここに神と参謀二人と将軍たち、あとイチジョウが来ていてな。この暗殺者……タケルと言ったな? その処遇について話し合っていたのだ」
「へえ。そうなんですか」
イチジョウ――町長も来ていたのか。
気絶していなければ挨拶できたのに。残念。
「今後の作戦へどれくらい協力してくれるかにもよるが、死刑にはしない予定だ」
「良かった。拷問とかもしませんよね?」
「そうだな……拷問しないで済むかどうかは、お前の働き次第だ」
「どういうことです?」
意味がわからず、聞き返した。
それに対し、国王は微笑んで宣告する。
「こちらへ協力させるための説得。それをお前にやってもらうことになった」
「えっ?」
「神の提案だ。リクに任せればよいだろうと言われたのだ」
「えええええ……」
――もしや、謀られたか?
あの神のことだ。自身が頼られる流れになるのは避けたかったのではないか?
それを防ぐため、会議で先に意見を出し、俺のほうに振って回避――。
どうせそんなところだろう。
「もちろん誰も異議はなく、全員が神の意見に同意したからな」
「それって、みんな責任を持ちたくなかったというだけなんじゃ……」
「まさか。神の言うことだから間違いはないと思っただけだと思うが?」
「いやぁー。あの神さま結構いい加減ですよ? 面倒臭がりだわ無気力だわ人間に興味がないわで」
俺としては事実をそのまま言ったつもりだった。
しかしそれを聞くと、国王は口元を引き締め、真顔で首を振った。
「そんなことはない。神はパーティでも余に大変有意義な話をしてくれた。きっとこの件に関しても、真剣に考えたうえでそう言ったのだと思う」
国王が口にしたことは、こちらにとってはかなり意外だった。
俺は、パーティで国王と神が何やら話しているところは見ていた。国王が真剣な顔でメモを取っていたのも知っている。だが、てっきり神のほうは適当に流していたのだろうと思っていた。
あのとき、いったいどんな話をしていたのだろう。
「ちなみに、余もこの件に関しては、お前がやるのが一番よいと思っていたからな。カイルだってそう思うだろう?」
「うん。兄ちゃんがやるのがいいよ。きっとうまくいくから」
どうもこやつらは冷やかしではなく、本気でそう思っているようだ。
勘弁してほしい。
正直、俺自身はタケルとそこまで相性がいいとは思っていない。うまくいく可能性がどれだけあるのやら。
「そういうことなので、任せたぞ。補助には誰を付けてもかまわないからな」
「……わかりました」
やればいいんでしょ。やれば……。
もう決定事項であれば断れない。仕方なく受けることにした。
「
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