『防壁少女』
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『防壁少女』
カスタムキャストによる
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「あなたは誰でスか」
オレは門の前に立って驚いた。
いきなりファイティングポーズを取った少女に質問されたのだ。
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猫耳の、パッと見は可愛い彼女の姿からは想像もできないが。
朝の陽を浴びた彼女の緑色の髪の毛が綺麗だった。
「ここの主人に用事がある」
大きな門構えの『お屋敷』を見上げながら単刀直入に答えたオレ。
「証明はアリますか」
「証明?」
なんだそりゃ。
「ない」
堂々と開き直った。
「では、お通しできませン」
「え?」
それは困った。通行手形でも欲しいのだろうか?
「身分証……免許証じゃダメか」
「……」
少女は構えたまま無言で頷いた。
困惑したオレは頭をかいた。
(あいつはいつも間に、こんなガードマン……いや『防壁少女』を雇ったんだ?)
最近、悪質な訪問販売も多いからな。
「客だ。取り次いでくれたら分かる」
「いえ、基本的に出来まセン」
この、たどたどしい物言いからロボットの類かと思った。
(変なモノ作りやがって)
あいつは、相変わらず変な奴だ。
「呼ばれたんだ」
「証明はアリますか」
「は? 証明って、他の客も持ってくるのか」
「イイエ」
がっくりした。
そこで切り口を変えた。
「職務に忠実なのは分かるが、君は片っ端から客を通せんぼするのか?」
「……」
その時少女の表情が変わった。意外にも『防壁少女』は口をつぐんだ。
(ツボにヒットしたな)
オレは長期戦に備えた。
腕を組んで姿勢を緩めると少女は何かをブツブツ言い始めた。
(やっぱりロボットか)
何となく、どこかと通信しているようだ。
そして彼女は微笑んだ。
「失礼しました。ご主人様より、あなたを『お通しするように』との指示が出ました」
「はぁ」
最初っから、そうしろって。
「こちらへ、どうゾ」
彼女は屋敷の大きなドアへオレを導いた。
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いきなりの展開に、ホッとするやら驚くやら。
冷や汗かいた。
(あいつもロボットとはいえ召使を雇う身分になったのか)
そんなことを思った。
玄関から入る。いつも見慣れたエントランスホール。
そういえば、いつもなら、ここも静かに素通りするものだが。
ここで、またギョッとした。
制服を着た少女が立っていた。
(今度は女子高生?)
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さっきの『防壁少女』の件もあってオレは思わず身構えた。
だが今度の女子高生
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