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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
57話:憂鬱
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貴官はどんな辞令を受けたのだ?また轡を並べられればうれしいが......」

うすうすは気づいているのだろう。少し不安げな表情を浮かべながら問いかけてくる。同盟軍は基本的に年功序列だ。実績を上げても、率いる艦隊が少なくなれば、当然、若手に艦隊司令官職は回ってこないだろう。

「残念ながらロボスの希望には応えられそうにないな。士官学校の校長を拝命した。未来の名将を育成することに励むことになるだろう」

「士官学校を軽視するわけではないが、戦況を考えればそんな悠長に構えていられる状況でもないだろうに。政治家たちは戦況をちゃんと理解しているのか?」

自分の見込みが外れると感情的になるのも昔からの癖だ。これさえなければ前線指揮官としては申し分ないのだが......。

「ロボス、少し落ち着け。逆に考えれば時間はかかるかもしれないが宇宙艦隊の戦力を本気で立て直そうとしているのだ。それができるかは前線で戦力の摩耗をどれだけ防げるかにかかっている。前線の事、頼んだぞ!」
そう言って肩を叩いて別れた。

今更だが、国防の面だけを考えれば、同盟がイゼルローン回廊出口付近に要塞を造る事も考えるべきだったが、それが出来たのは第二次ティアマト会戦の直後だろう。泣き言を言っても仕方がない。できる事をやるしかないのだ。
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