第四章
第39話 再登場
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らわれたということは、それなりの用があってのことなんだろ?」
気を取り直して問いかける。
タケルはややうつむき気味のまま、目だけ合わせて答えた。
「はい。あなたを、殺しに来ました」
心臓がドクンと一回、大きく拍動した気がした。
やはりそうなのだ。
「上から、今日のパーティで国王を暗殺しろ、もう失敗は許されない――という指示がありました」
俺はそれで確信した。
敵組織は、もうこいつを捨てる気なのだ。
ヤハラのように処刑まではしないが、もうこの先で使う予定もない。懲役などにするくらいなら、敵地に特攻させたほうがいい。そしてうまく国王を道連れにしてくれれば万々歳――。それくらいに思っているのだろう。
見たところ、今日も拳銃を持っていないようだ。それはもしかしたら、もう生きて帰ることはないということで、持たせてもらえなかったのかもしれない。
「……。その指示で、国王じゃなく先に俺の前に現れたのは、任務よりも『復讐』優先ということなのか? ヤハラが俺のせいで死んだから、と」
「僕はあなたのせいで死んだとは思っていません。ですが、ここであなたを殺せばヤハラが少しは浮かばれるような気がしまして……」
会場は警備がかなり厳重だ。なので、先に国王のほうに行った場合、暗殺に成功したところで、タケル自身も確実に死ぬことになるだろう。そうなってしまうと俺を殺すことはできない。
よって順番としては、単独行動を取る可能性がほぼゼロの国王よりも、先に俺のところに来るというのは正しい判断だ。俺が単独になったところを狙って殺し、国王を殺して玉砕という段取りだ。
しかし、その順番にしたということは……。
タケル自身もすでにここで死ぬ気である、ということになってしまう。
――本当に、それでいいのか?
「生きて帰る気はないんだな?」
「なんですか、いきなり。勝てる気でいるのですか」
「そういう意味じゃない。お前は捨て駒にされているんだろ?
一人でこんなところに送り込まれて、拳銃も持たせてもらえず、『もう失敗は許されない』って……。それはどう考えても、特攻して死んでこいという意味だよな? お前はそれで納得しているのか?」
一瞬の間はあったが、返事はイエスで返ってきた。
「はい。それで構わないから来ているんです」
言い切ってはいるが、言葉に力強さはない。
「そうか。じゃあ戦う前に少しこちらの話を……ああ、これは決して時間稼ぎしたいとか、死ぬのが怖いからちょっとでも先延ばしにしたいとか、そういうのではなくて……あ、ごめん。今のはちょっと嘘だ。やっぱり死ぬのは怖いな。ん? いや、そのへんはお前にとってはどうでもいいのか。
えっと、この前俺は神社でお前の話
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