24部分:第二話 貴き殿堂よその二
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。
「その程度のことで芸術が阻まれては駄目なのだ」
「左様ですか」
「そうだ。私は彼を救う」
顔を上げた。ここでだ。
「何があろうともな」
「そうされますか」
「そうだ。そしてだ」
「そして?」
「私はそれができる」
自分ならばというのだ。そうだというのだ。
「芸術を解することもな」
「殿下だけがでしょうか」
「それをわかってくれる人間も少ないだろう」
太子はこんなことも言った。
「やはりな」
「殿下、それは」
「シシィはわかってくれている」
ハプスブルク家、オーストリアに嫁いだ従姉ならばというのだ。彼より七歳上のその美貌の彼女と彼はだ。今もお互いを慕い合っているのだ。
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