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天使のような子に恋をした
天使のような子が家に遊びに来た
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の予想に反して母さんの表情は次の瞬間には笑顔に変わっていた。

「もしかして……彼女?」

「ち、ちげーよ! ただの友達だから!」

「なんだ、つまんないの」

 おいおい……。つまんないって、母さんは人の恋愛を何だと思ってるんだ……? しかもこういう時、俺が友達と言うと大体ことりが不機嫌になる。ほら、今もこうしてことりの圧が感じられるようになってきた。今度誰かに聞かれた時は思い切って「俺の彼女です」って言ってみようか。

 とりあえず、ことりを押し倒したことがバレなくて良かった。

「ま、それはともかく。ゆっくりしてってね、ことりちゃん」

「あ、はい。でもそろそろ帰ろうかと思っていたので」

「あ、そうなんだ。こんな家だけど、また良かったら遊びに来てね」

「はい、ありがとうございます!」

 母さんはそう言うと、下の階へ降りていった。再びことりと二人っきり。ことりは本格的に帰る準備をし始めた。さっき、あんなことがあったというのに不思議と気まずくは無かった。

「ねえ、蒼矢くん。蒼矢くんのお母さんに私のこと話したの?」

「え? いや、話してないけど……」

「でも私、蒼矢くんのお母さんとは初対面の筈なのに私の名前知ってたよね」

「あ、確かに」

 ことりから質問があった通り、俺は母さんにことりの事を話したことは一度もない。しかも母さんとことりが会うのは今回が初だ。以前、俺が風邪を引いて皆がお見舞いに来た時にも、母さんは居なかったし友達がお見舞いに来たとしか言っていない。

 何故母さんはことりの名前を知っていたんだ? ことりとの家が近いとはいえ、今までに神崎家と南家の付き合いはなかった筈だ。

 考えられるのは、実は母さんがスクールアイドルに詳しくて、μ'sも知っているということ。この仮説ならば、先刻の母さんの驚愕の表情も納得出来るし、ことりの名前を知っていてもおかしくはない。

「もしかしたら母さん、μ'sのこと知っていたのかもな」

「えっ、ほんと? それが本当なら嬉しいな」

 ことりと階段を降りながら話す。とりあえず、母さんがことりの名前を知っていたことに関しては納得がいった。

「じゃあ、また今度ね。機会があったらまた遊びに来るよ」

「ああ、大歓迎だよ。基本俺は暇だからさ」

「ふふっ、ありがとう。それじゃあ、お邪魔しました っ」

「はーい、じゃあな」

 最後にことりに手を振って、俺はドアを閉めた。あぁ……帰っちゃったかぁ。今日は本当に楽しかった。

「──蒼矢」

「ん? ああ、母さんか」

 いつの間にか、俺の背後には母さんが立っていた。ことりのことで頭がいっぱいで全然気が付かなかった。

「アンタ、ことりちゃんと何
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