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天使のような子に恋をした
天使のような子が家に遊びに来た
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。ことりが家に来るまで暇だった俺は部屋の掃除をしていた。掃除は昨夜もしたのだが、念には念を重ねておいた。その結果、以前とは見違える程綺麗になった。これならことりを招き入れても何も問題はない筈だ。

 ちなみに──今日は母さんが用事があるとかいって、朝早くから何処かに出掛けていった。図らずも良いタイミングに出掛けてくれた。母さんがいたらことりのことを絶対にからかわれるだろうし。

 丁度掃除を終えたその時、家のチャイムが鳴るのが聞こえた。時刻は10時前だし、これはことりで間違いないだろう。

 階段を降り切り、家のドアを開けるとそこには俺の予想通りことりがいた。以前のデートの時の可愛らしい服装とは違って、今回は全体的に大人っぽい服装だった。

「おはよう、蒼矢くん。ちょっと早いけど来ちゃった」

「おはよう。ううん、全然いいよ。まあ早速だけど上がってよ」

「はーい、お邪魔します」

 ことりが家の中に入ってくる。その瞬間、鼻腔を甘い香りが擽った。ずっと嗅いでいたら頭がクラクラしそうな匂い。この後、ことりを俺の部屋に招き入れる予定だが、それってよくよく考えてみれば俺の部屋がことりの匂いでいっぱいになるってことだよな? つまりは好きな人の匂いでいっぱいになる。……これは、色々と大丈夫なのだろうか? くれぐれも注意しないと。

「あ、蒼矢くん。マカロン作ってきたんだけど後で食べる?」

「お、マジで? それじゃ有難く頂くよ」

「うん! たくさん作ってきたからご家族と食べるといいよ」

「ありがとう、母さんも喜ぶと思う」

 ことりからマカロンが入っている箱を預かった俺。その中からは甘い匂いが漂っている。ことりが作った物を何一つ食べたことがない俺でも、箱を開けなくても分かる。このマカロンは絶対に美味いと。とりあえず後でお茶を淹れてくるか。

「はい、ということでここが俺の部屋でーす。といっても前入ったか」

「あはは、そうだね。……って、あれ。この前より綺麗になってない?」

「そりゃあまあ……ことりが来るから掃除したし……」

「えー、そんな気遣いしなくても良かったのにな。前のままでも十分綺麗だったよ?」

「それはまあ、そうなんだけどさ」

 俺の部屋に入ったことり。俺はマカロンの箱を机に置き、勉強用の椅子に腰掛ける。ことりにも座るように促すと、彼女は俺のベッドの縁に座った。俺のベッドに好きな人が座っている。何というか、一ヶ月前の俺には考えられない光景だ。

 さて、ことりが家に遊びに来たものの、何もやることがない。ことりは俺と一緒にいたいと嬉しいことを言ってくれたが、流石に何もしない訳にもいかないだろう。

 そういえば──今俺の家には俺とことりしかいない。つまりは完全に二人っき
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