暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第266話 藍子と木綿季とチョコレート
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たのか」
「へへー、りゅーきのえっちー」

 んべ、と舌を出して、そのまま外へと出て行った。
 立ち上がって、ちょっと行く、と言ったので 行先を聞いた。……間違いだったのだろうか、とリュウキは傾げた。

「むぅ。やっぱり難しい、かな……」

 いろいろと。
 それを見たランはと言うと。

「い、いえいえ。ただのユウのいたずらですから。あまり深く考えないで良いと思います。突然行く、と言われたら私も聞いちゃいますし」
「んー」

 それもそうか、とリュウキは納得した様で、ランも安心し……そして、机の引き出しの中から箱を取り出した。ユウキと同じようにコーティングした小さな箱を。

「リュウキ、さん。私からも、良い……でしょうか?」

 おずおずと差し出す小さな箱。
 想いを込めたチョコレート。

「……勿論。ありがとう」
「私たちは、リュウキさんにたくさん、たくさんいただいてますから……」

 ランの言葉を聞いて、リュウキは左右に首を振った。

「オレも2人には貰ってる。沢山、貰ってる。オレにとって毎日は、まだまだ新鮮で、それに勉強だから。だから、沢山貰ってるのはオレの方も同じなんだ」
「同じ……、私たちと、同じ?」
「ああ。……オレもまだまだ勉強勉強。大変だけど、……楽しくて仕方ない、かな。勉強って」
「ふ、ふふ……。はいっ。私もそう思います」

 チョコレートを渡せた事にランはほっと一息。
 そして、チョコレートは想いと共に、伝えたい想いと共に包み、差し出したんだ。

ほっとし、ランは手を胸にあてた。




――この気持ちの正体はいったい何なのだろう。


 
 ずっと考えていた事でもある。
 周りが、一目ぼれをした、と囃し立てているが そう単純ではない事は自分でもよく判っていた。好意は好意だとわかる。でも根幹の部分がまだはっきりとは判らない。

 初めて出会った時、心に響いてきた。サニーから彼の事を誰よりも聞いていたから、なのだろうか。聞いただけで実際に見たわけじゃない。普通なら、言葉だけで思い出を聞いただけで、その人を当てるなんて事は出来るわけがない。 

 だから、出会えたのは奇跡。導いてくれたんだと思えた。

 そして、それだけでなかった。一緒にいると心が温かくなる。いろいろな事が重なりに重なって、今がある。


 ちょっぴり妬いちゃう事だってあるけれど、それでもリュウキが言う様にランも毎日が勉強で、そして楽しい。
 
 
『リュウキさんと一緒の学校で勉強して、遊んだりしてたら、きっと毎日が輝いてる。周りの皆さんの様に』
『リュウキさんの様な恋人さんが、彼氏さんが、旦那様がいたら、毎日ドキドキし過ぎて、大変そう……だよね。玲奈さんもきっ
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