第五幕その一
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第五幕 不思議なピエロ
一行はこの日も朝起きるとすぐに御飯を食べて出発しました、そうして昨日立ち寄った駒の国の前を横切ってです。
国の方に皆で手や前足を振りました、そのうえでアンは言いました。
「この国も素敵な国だったわね」
「ええ、訪問してよかったわ」
エリカがアンに続きます。
「本当にね」
「そうよね」
「ええ、じゃあまた来る日まではね」
「お別れよ」
「そうね、その時まではね」
見れば城壁の方から駒の兵隊さんが手を振り返してくれています、挨拶はちゃんと伝わっています。
「笑顔でお別れをしてね」
「笑顔で再会よ」
「そうなるわね」
「それじゃあ今からね」
「またグリンダのお城の方に向かうのね」
「そうするわよ」
こうエリカに言うのでした。
「いいわね」
「わかっているわ、じゃあ歩いていきましょう」
「皆でね」
「さて、今日はどうなるかな」
臆病ライオンはここで思いました。
「何が起こるのかな」
「平和に進めるかな」
腹ペコタイガーはこう思いました。
「果たして」
「うん、どうなるかな」
「そこはわからないよね」
「何かが急に起こる国だからね」
オズの国、この国はというのです。
「思わぬところでね」
「そうだよね、それもオズの国だから」
「何が起こってもね」
「不思議じゃないよね」
「そう、今日だってね」
「そうなのよね。何も起こらないかも知れないけれど」
アンも二匹の獣達に応えつつ言いました。
「何か起こるかも知れない」
「そうそう、オズの国は」
「そうした国だからね」
「ええ、けれど何が起こっても何に遭遇してもね」
それでもというのです。
「皆で乗り越えていきましょう」
「私がいるのよ」
ここでも胸を張って言うエリカでした。
「だからね」
「大丈夫っていうのね」
「そう、何が起こってもね」
「その言葉信じさせてもらっていいかしら」
「もらっていいじゃなくてそうするのよ」
最初からというのです。
「いいわね」
「そこでそう言うのは本当に貴女らしいわね」
「例えドラゴンが出て来てもよ」
それでもというのです。
「私は憶することはないしね」
「そうよね」
「ええ、まあ何が出て来てもね」
それでもというのです。
「私は平気だし苦難もね」
「乗り越えていって」
「先に進むわ」
そうするというのです、そしてです。
一行は先に先にとさら進んでいきました、そうして九時半頃にです。
ふとです、前から奇妙な人が来ました。その人はといいますと。
お顔を白塗りにしていて目は隈取をしていて眉をあえて大きく描いて口紅も口の周りに塗りたくっています。オズの五色の色をそれぞれ虹みたいに
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